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2008年6月議会 一般質問と知事、県警本部長答弁
2008年6月11日 掲載
冤罪事件、「引野口事件」で県警本部長に謝罪と反省をもとめる
真島議員
日本共産党のまじま省三です。
まず、2004年3月、実兄殺害と放火容疑で北九州市八幡西区の片岸みつ子さんが逮捕された冤罪事件、「引野口事件」について、県警本部長におたずねします。
3月19日の検察側の控訴断念で、福岡地裁小倉支部の片岸さんの殺人・放火容疑への無罪判決が確定しました。
判決は、「捜査機関は、同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に同房状態にした」と、代用監獄にスパイ目的に女性を送り込んだことをみとめ、さらに「本来取り調べと区別されるべき房内での身柄勾留が犯罪捜査のために濫用された」とし、福岡県警の捜査手法を「虚偽自白を誘発しかねない不当な方法」と批判しています。
片岸さんは、無罪確定のあとも、「夫まで共犯者扱いされ厳しい取調べのあと自殺に追い込まれ、長男は私の無実をはらすために仕事を失った。家族の時間を返してほしい、夫を返してほしいという思いが募るばかりです」とおっしゃっています。
県民は、県警が卑劣な捜査手法で、ひとつの家族と人生を台無しにしたことに大きな衝撃をうけております。ところが、控訴断念後、県警のコメントには、一片の謝罪の言葉も、反省の言葉も見当たりません。
県警本部長におたずねします。
1つ、人間として、公務にたずさわるものとして、片岸さんとご家族に対して、また県民に対して血の通った謝罪の言葉が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
2つ、なぜこのような不当な捜査手法がとられたのか、2度とこのようなことをくり返さないためにどうするのか、県民の前に明らかにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
県警本部長答弁
お尋ねの事件につきましては、平成20年3月5日、福岡地方裁判所小倉支部において、「威力業務妨害罪等で勾留中に行われた被告人の犯行告白に関する同房者供述につき、捜査手法が相当性を欠いており、証拠能力を肯定できない」などとして、殺人及び非現住建造物放火事件について無罪判決が言い渡されたものと承知しております。
本件事件の捜査は、全力を尽くしたものであり、判決については、残念な結果ではありますが、指摘された点につきましては、真摯に受け止め、より一層、適正捜査に努めてまいる所存であります。
真島議員第2質問
引野口事件について。
「捜査は全力を尽くしたが、判決は残念」と、県警の不当捜査による余りに大きな犠牲に対し、本部長の謝罪の言葉さえ聞けませんでした。
私は片岸さんに話を聞き、衝撃をうけました。任意の取調べで手錠をし、取調べ過程で土下座までさせ、別件捜査なのに「私が殺しました」とあらかじめ書いてある調書を前に自白を強要した。
法務大臣は国会で、「適正さを欠いた捜査で、人生やご家族まで破壊されてしまうことがないよう厳しく指導する」と答えています。
県警に、まず片岸さんとご家族への謝罪、県民への謝罪はもちろん、真剣な自己分析と再発防止策を、県民に明らかにするよう強く要望します。
後期高齢者医療制度に対する知事の見解をただす
真島議員
次に、後期高齢者医療制度について、知事に4点おたずねします。
「説明不足」と言い訳しますが、説明するほどに、「うば捨て山だ」と怒りがわき起こっているではありませんか。
廃止しかない3つの理由があります。
第1に、長年社会に貢献してきた方々を囲い込み、高い負担と安上がりの医療を押しつける、「人の道」に反する制度です。
第2に、続けば続くほど国民を苦しめます。「長寿」の人が増えれば保険料は上がり、「団塊の世代」が75歳になるころ、現在の倍以上になります。また、差別医療を押しつけ、拡大しようとしています。
第3に、すべての世代に重い負担を押しつけます。政府は、「団塊の世代」が75歳以上になるころには、高齢者の医療費を5兆円も削減する計画です。
質問です。制度が実施された現段階で、あらためて、制度にたいする知事の見解をおたずねします。
知事答弁
急速な高齢化により医療費の増大が見込まれる中、国民皆保険の根幹である、高齢者の大部分を受け持つ国民健康保険制度の将来の見通しが立たなくなって参ります。
このようなことから、高齢者を対象とした独立の医療保険制度を創設して、国、県、市町村による公費や現役を中心とした他の保険の加入者の負担を9割とし、一部を高齢者に負担していただくという形を明確にし、国民皆保険制度の存続を図るものであります。
この制度については、見直しや廃止等の様々な意見がありますが、色々な課題を合理的かつ整合的に解決できる制度について十分に考えながら進めていく必要があると考えております。
本県高齢者の全国一の保険料負担を軽減するために
県独自の財政支援、せめて健診事業への財政支援を求める
真島議員
制度設計した厚労省の担当官は、制度のねらいを「医療費が際限なく上がり続ける痛みを、後期高齢者が自分の感覚で感じとっていただくことにした」と言っています。
本県は、各広域連合間の所得格差などを調整する「調整交付金」を加算してもなお、全国平均を下回る所得の本県の高齢者に、全国平均の1.37倍の全国一高い保険料です。本県の高齢者が最初から背負わされた、この「全国最悪の痛み」は、県独自の財政支援なしには解決できません。
知事は、昨年の9月議会で、「保険料の独自の減免措置は、広域連合の事情を考えたうえで判断すべき」と答弁されました。その広域連合は、県内市町村の総意をうけ、県に対して、運営経費などの支援を3回も要望しています。すでに、京都、石川、東京などの都府県だけでなく市町村にも、独自に財源を投入し、保険料を下げる動きが起き始めています。
質問です。県として、保険料負担の軽減のために、広域連合に財政支援をすべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。
早期発見・早期予防につなげる健診事業は、重症化を防ぎ、医療費を抑制することになります。県は、昨年度、老人保健制度の健診事業などに4億7千万円負担していましたが、広域連合が行う75歳以上の方の健診事業への県の負担はありません。このままでは県が、「75歳以上の健診は必要ない」と言っているようなものです。
質問です。せめて、広域連合の健診事業に県として財政支援し、保険料負担を少しでも軽くすべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。
知事答弁
長寿医療制度の施行に伴い、県では、高齢者の保険料負担を1割程度とするため、約426億円、低所得者の保険料負担軽減のために約64億円を計上しております。
また、国において、低所得者の保険料の更なる軽減について議論が行われております。
このように、色々な形で、この保険料の軽減策が講じられております。
本県では、医療費が高いという問題があり、そのことが保険料を高くしていることから、保険料の軽減策に加え、医療費そのものの適正化が極めて重要であります。
このため、健康年齢を伸ばし、生活習慣病対策等を通じて、医療費の適正化を並行して推進していく考えであります。
65歳から74歳の障害者に後期高齢者医療制度への加入を。事実上「強制」する県の方針を撤回せよ
真島議員
厚生労働省は、65歳から74歳の一定の障害のある方の新制度加入は「任意であり、強制加入でない」としています。ところが本県を含む10道県は、「新制度加入を医療費助成の条件」とし、事実上加入を「強制」しました。
後期高齢者医療制度に加入した場合、扶養家族だった人は新たな保険料負担を強いられます。障害をかかえながらも働いて家族を扶養している人も、自分以外の家族が国保などに加入して保険料を支払うことになり、負担が増える場合もあります。
県の負担を減らすために、助成制度をたてに、障害者に新たな保険料負担を強制するのは、「健康保持と生活の安定を図る」という障害者医療費助成制度の目的に真っ向から反しています。
質問です。年齢での差別のうえに障害で差別する、「後期高齢者医療制度を脱退すれば医療費助成の対象から除外する」方針をやめるべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。
知事答弁
65歳以上の重度障害者の皆さんにつきましては、これまでは、老人保健制度に加入している場合には、医療費の自己負担が一割となり、この自己負担分につきまして、公費で負担をしてきました。
今回、この老人保健制度が長寿医療制度に移ることになり、この制度に加入しない場合には、自己負担は年齢によって違いますが、2割ないし3割になります。これを、これまでどおり公費で負担すると県の負担が非常に大きくなります。
障害者の皆さんに自己負担がない形で、今後も医療を受けていただくために、長寿医療制度に加入していただくことをお願いしているところであります。
この場合、長寿医療制度の保険料の負担という問題がありますが、これにつきましては、所得に応じた軽減措置が講じられております。
さらに、国において、現在、低所得者への更なる保険料の軽減措置が検討されておりますので、長寿医療制度への加入をお願いしているところであります。
真島議員第2質問
今日の医療崩壊は、高齢化が原因ではなく、高齢化のなかで本来増やすべき、先進国最低水準の日本の医療費を、反対に削減しているからです。
憲法25条の生存権、14条の“法の下の平等”を踏みにじる高齢者差別法は撤廃しかありません。
八幡西区のある校区社協の会長さんは、「『全国一の県民負担を前に、県が指一本動かさないなんて、本当に情けない』と知事に伝えてほしい」と言われました。
全国平均以下の所得水準にふさわしい保険料に軽減する県の財政支援、「健康年齢を伸ばす」と言うなら、せめて健診事業への昨年度並みの財政負担を強く要望します。
障害者の『加入強制』について。
知事は、「県の財政負担を減らすためだ」と言いました。
月10万円足らずの年金収入だけの障害者にとって、500円、1,000円がどれだけ重いか、知事はわかっていません。
ある障害者は、「同じ世代の健常者が、被扶養者で保険料を払わなくてもいいのに、なぜ障害者だと払わなければいけないの」とおっしゃった。
事実上の「強制加入」の撤回、あわせて障害者や寡婦への医療費助成の切り捨ての中止を強く要望して質問を終ります。
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