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2008年9月議会 一般質問 ——— 介護保険制度について
2008年10月4日 掲載
真島議員
おはようございます。日本共産党の真島省三です。
介護保険制度は、来年度の改定にむけ、今年度は市町村の「第3期事業計画」、県の「第4次高齢者保健福祉計画」の最終年度です。県としてこの3年間を総括し、国に必要な改善を迫り、県の次期「計画」を高齢者と介護現場の困難を解決するものにするよう求めて質問します。
第1に、深刻な介護人材不足の打開です。
厚生労働省の調査では、1年間に介護労働者の5人に1人が離職し、43%が1年未満、4人のうち3人が3年未満でやめています。半数以上が「やりがいがある」と答える一方、常勤職員の平均賃金は全労働者の6割。年収が200万円もない労働者が多く、まさに「官製ワーキングプア」です。また、専門性や経験が求められる仕事でありながら、非正規職員が年々増加して約4割、訪問介護では約8割です。希望に燃えて介護職に就き、夜勤や長時間の重労働に耐えてきた青年たちが、無念の思いで職場を去っています。
厚生労働省の調査では、事業所の65%が「今の介護報酬では人材確保に十分な賃金が払えない」と回答しています。
高齢化がすすみ、今後10年間に約60万人の介護職員の確保が必要と言われているのに、このままでは地域の介護基盤が崩壊しかねません。深刻な介護人材不足は、利用者に過酷な負担増と利用制限を強い、介護報酬の引き下げで収入と働きがいを奪ったことが最大の原因です。
質問です。
ひとつは、2009年度の制度改定において、介護報酬の大幅な引き上げと、あわせてそれが保険料・利用料の負担増にはねかえらないしくみをつくるための国庫負担の引き上げを、国に強く求めるべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。
もうひとつは、国の「福祉人材確保指針」をふまえて、県独自にも役割を発揮すべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。
第2に、高齢者からの「介護取り上げ」問題です。
2006年度の制度改定で国は、「身体を使わないと身体機能が衰弱する『廃用症候群』を防ぎ、『生活機能の維持・向上』をはかる『介護予防』だ」、「ヘルパーが家政婦代わりになっており、自立を妨げる」と、「軽度」と決めつけた高齢者から、介護ベッドや車イス、ヘルパーなどを取り上げ、「介護予防サービス」を制度化した「新予防給付」を実施しました。
県内でも、福祉用具利用者が、2006年3月の4万2千人から今年3月は1万2300人に、約3万人、7割減っています。特殊寝台の利用者は5%に、車イスの利用者は41%に激減です。また県内の2006年度の訪問介護利用数は、前年度から約2割、150万回以上減っています。新たに始まった介護予防訪問介護の利用数を加えても、65万回以上減っています。
介護現場の人たちは、「介護サービスを取り上げ、『介護予防』をおこなう『新予防給付』は、給付抑制の手段に過ぎなかった」、「負担増による利用抑制にくわえ、要支援者の利用回数が減り、リハビリ効果の低下で、病状や病態の悪化や閉じこもりになり、生活そのものが維持できない状態も出ている。結果的には要介護度が重くなり、給付費が増えるのではないか」と言っています。
質問です。
ひとつは、「介護予防だ」と介護サービスを取り上げた「新予防給付」は、実際に「要介護度の改善に効果」があったのでしょうか。知事の見解をお聞かせください。
また、福祉用具や訪問介護サービスを取り上げられた本県の高齢者が、「生活機能の維持・向上」、「要介護度の改善」につながっているのかを、県として追跡調査し、検証することは、市町村と県の次期の「計画」をつくるうえでも、国に対しても必要な制度の改善を求めるうえでも、不可欠だと考えますが、知事のご所見を伺います。
第3に、不足する特別養護老人ホームの整備です。
昨年10月1日現在、県内の待機者は、今年度末までの整備目標量16193床に匹敵する15521人も残されています。ところが、この3年で新たに整備した833床は入所申込者のわずか5%で、緊急に入所を必要とする「要介護4、5で自宅待機者」の970人さえ下回ります。
国が、2006年度の診療報酬改定で、「医療の必要度が低い」と決めつけた療養病床の患者の入院費に対する報酬を減額したため、退院を迫られる患者が相次いでいます。介護施設でお話を聞いたら、「療養病床を出された人の入所希望が増えているが、胃ろうなど医療的ケアの必要な人は、看護、介護の体制がとれずお断りしている」とのことでした。
しかも、高い利用料、要介護度ごとに低く設定された利用限度額、最近の「介護とりあげ」で、介護を必要とする高齢者が、在宅で生活を送ることもますます難しくなっています。
質問です。
県として特別養護老人ホームの整備をどう促進しようと考えておられますか。とくに、要介護4、5の在宅待機者970人を、いつまでに解消しますか。知事のご所見を伺います。
知事答弁
《介護報酬の引き上げについて》
人材確保のためには、給与をはじめとした勤務労働条件の改善が重要であり、国に対しては適切な水準の介護報酬の設定と国の負担割合の引き上げを要望しています。
《県の介護人材確保の取り組みについて》
県は、総合福祉系大学として設置している福岡県立大学において、保健・医療・福祉に携わる多様な人材を養成しております。
また、介護福祉士の修学資金の貸与のほか、県社会福祉協議会に福祉人材センターを設置して、合同面談会の開催、資格を持っていて就職していない者に対する無料職業紹介などの取り組みを行っております。
さらに、福祉教育読本の配布、高校生の介護職場体験事業の実施など、福祉の仕事に対する理解を深める取り組みを行っております。
《介護予防サービスの効果及び県の追跡調査等について》
全国83の市町村で実施された介護予防サービスの効果分析では、サービスの実施により、要介護度が悪化した人数の割合が約4割減少しております。
このようなことから、一定の効果があると考えております。
県としては、要支援の方に対して、介護予防サービスが適切に提供されるよう努めて参ります。
《特別養護老人ホームの整備について》
現在、各市町村において、特別養護老人ホームの入所申込書の実態や住民の意向などを勘案し、必要量の見直しが行われております。
県としてはそれを踏まえ、広域的な調整を行い、各保健福祉圏域の実態を反映した高齢者保健福祉計画を策定し、整備を進めて参ります。
真島議員第2質問
知事の答弁を聞いて、高齢者や介護現場のみなさんの深刻な実態に対して、どれだけ危機感をもっておられるのだろうかと思いました。
要望です。
第1に、繰り返しますが、県として、前回の制度改定の目玉、「新予防給付」が利用者にもたらしている困難を調査し、国への要望、県と市町村の次期「計画」に反映していただきたい。
北九州市の調査では、介護サービスの「利用回数が減った、利用しなくなった」理由は、「制度改正で利用できなくなった、利用しにくくなった」が56・6%で、「要介護度が改善した」は21・4%にすぎません。
知事が「一定の効果があると判断」した根拠にする厚生労働省の調査は、「介護予防サービス受給者」に限定したものです。介護予防サービスの利用で、介護度が改善した高齢者がいるのは当然じゃないですか。しかし、都合のいいところだけとった国の調査結果をもって「(県の)追跡調査は必要ない」と、訪問介護や福祉用具を取り上げられ、閉じこもりや社会的孤立、状態悪化をまねいている高齢者の実態に目をつぶっていいのでしょうか。
第2に、特別養護老人ホームの整備促進のために、明確な姿勢をしめしていただきたい。
本県の高齢者は、単身、低所得者が多く、特別養護老人ホームの整備は切実です。八幡西区の町内会長さんが、町内のお年よりの入所先を探しまわって、「4〜5万円の国民年金だけの高齢者が入れるところはない」、「在宅はムリ、お金がなければ施設もダメ」と途方にくれていました。
八幡西区の特別養護老人ホームの施設長さんは、「低所得の高齢者が入れる従来型の特養の増設を希望しているが、なかなか認められない」と言っていました。
「介護を社会全体で支える仕組み」を掲げた介護保険制度は、家族介護への逆戻りをまねいています。政府の調査では、2006年10月からの1年で、家族の介護や看護が理由の離職が4万人も増え、過去10年間で最多の約15万人にのぼっています。
「介護の社会化」を再構築する介護保険制度の改善と県の次期「計画」策定を、強く求めて質問を終わります。
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