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少子高齢化社会対策調査特別委員会
子どもがいる世帯への資格証明書交付はやめよ
2008年10月23日 まじま県議の質問
質問後日談(真島議員)
10月25日の「西日本新聞」に、県民医連が発表した「無保険(資格証明書交付世帯)」の子が「県内37市町村で1000人超」という記事が出ていました。この質問をした時点ではそのデータが手に入っていませんでしたが、質問で示した県議団独自の試算、「1000数百人」が裏づけられることになりました。
また、27日朝のニュースで、民主党が国会に「無保険児をなくす法案」を出すと言っていました。資格証明書の発行は、自民、民主、社民が賛成した1997年の国保法改悪で自治体に義務づけたものです。県議会でも、「資格証明書の発行をやめよ」と求めてきたのは日本共産党だけです。
いま、国民の運動と世論で国政を動かしつつあります。総選挙がんばりましょう。
真島議員
親が国民健康保険の保険料を払えないために保険証を取り上げられ、事実上の無保険状態になっている子どもが多数いる問題で、医療保険課におたずねします。
厚生労働省が無保険児の実態調査
この問題について、厚生労働省が都道府県を通じて、9月15日現在で、市町村が資格証明書を発行した世帯数と、その世帯にいる乳幼児、小学生、中学生の人数と子どもがいる世帯への特別な対策があるかどうかを調べています。
厚生労働省は、今回の全国的な実態調査の目的をどう言ってきましたか?
医療保険介護部・医療保険課長
各方面からいろいろな意見があるので、実態調査をすることにしました。
真島議員
そもそも国に言われるまで、実態調査さえもしてこなかったということ自体、ことの深刻さを理解していただいていないと非常に残念に思います。
県内の無保険児は1000数百人
県が資料を公表してくれませんので、私の方で調査しました。
福岡県社会保障推進協議会が08年6月現在の調査をしています。回答があった38自治体のうち12自治体で、資格証明書発行世帯に乳幼児、小中学生が204人いることがわかりました。回答していない福岡市が市議会に出した資料では、08年7月末現在で、「中学生以下の子どもがいる資格証明書世帯数」は455世帯、子どもの数は698人です。
以上のことから推計すれば、県内で資格証明書を交付された世帯に1000数百人の子どもたちがいると思われます。
問題は、その子どもたちがどういう状態におかれているかです。私が調査した事例を紹介します。
北九州市内の27歳の建設自営業の方は、昨年来仕事が激減し、国保料を滞納してしまいました。今年、資格証明書が交付され、5月に1歳の子どもが39度の熱を出しました。区役所に保険証発行の相談に行くと、滞納した保険料をいくらかでも払わないと短期保険証も出せないと言われ、1万円しか払えず2週間の短期保険証を受けとったそうです。
厚労省の05年課長「通知」と解説文書
資格証明書は、「特別の事情」がない場合に発行することになっています。そして、厚生労働省は、「特別な事情の判断は法律の趣旨にのっとって各市町村が判断する」と国会で答弁しています。
2005年2月15日付で都道府県に送付された厚生労働省の課長通知「収納対策緊急プランの作成について」の解説文書が、「週刊国保実務」に掲載されています。
このなかで、「乳幼児のいる世帯への資格証明書の交付」についてどう言っていますか?
医療保険課長
「週刊国保実務」2005年5月23日付には、「乳幼児の医療費助成を上乗せ支給している地域では、対象となる乳幼児が含まれる世帯は資格証明書の対象外とすることを検討すべきである」と記述してあります。
真島議員
私は資格証明書そのものは発行すべきでないという立場ですが、少なくとも厚生労働省が言っているように、「乳幼児が含まれる世帯は資格証明書の対象外とすべき」だと思います。
資格証明書発行ゼロ、子どもがいる世帯に発行をしない自治体の広がり
2008年度になって、資格証明書の発行をゼロにする自治体が相次いでいます。
広島市は、昨年まで8000世帯以上に資格証明書を交付していましたが、受診の抑制により手遅れとなる死亡事例が相次いで発生したため、「悪質な滞納者だけに限定する」と表明し、面談を通じて、生活状況や病気などの事情を正確につかむ作業をすすめました。そして、2008年の5月末時点で、資格証明書の発行数がゼロになっています。
県内でも、21市町村が資格証明書を発行していません。
また、子どもがいる世帯を資格証明書発行の適用除外にする自治体も広がっています。
静岡市は、2008年度、「資格証明書」の取り扱い要綱を一部改正しようとしています。市は、その理由を「15歳未満の乳幼児・児童・生徒の方は心身の発達途上であることから怪我や病気が重症化しやすいため、特に早期に適切な医療を受ける必要があり、また独立して生計を維持することができないことから、静岡市独自の施策として15歳未満の被保険者に対しては資格証の交付をしない」と説明しています。
2008年9月29日の「読売」新聞によると、政令市や県庁所在市、東京23区の半数以上が、自治体独自の医療費の公的助成を受けている乳幼児や重度心身障害者の世帯も証明書交付の対象から除外しています。
「子どもがいる世帯に資格証明書発行をすべきでない」と県の考えをしめせ
少なくとも「子どもがいる世帯には発行するべきでない」ということが大きな流れになっているのではないでしょうか。今年度、本県は、子どもたちの健やかな成長を願い、病気になりやすい時期の子育てを支援するために、子どもの医療費助成を就学前まで広げました。そしていま、何よりも、県内で1000数百人の子どもたちが保険証をとりあげられ、病気でもなかなか病院に行けない状態になっているという一刻も放置できない実態がつかまれたわけです。
ですから、国の動きを様子見するのではなく、県としても「子どもがいる世帯から保険証は取り上げるべきではない、資格証明書は発行するべきでない」という考え方をはっきりとしめすべきだと考えますが、いかがでしょうか?
医療保険課長
先ほどの、「週刊国保実務」に掲載された「乳幼児が含まれる世帯は資格証明書の対象外とすることを検討すべきである」という箇所は、厚生労働省に問い合わせたところ、「省の公式見解ではなく、一課長補佐の見解です」との答えでした。今後の国の動きをみまもりたいと思います。
真島議員
子どもは親を選べない以上、子どもには罪はありません。国の動きをみまもるとかいっていますが、国の顔色ではなく、県内の子どもたちがおかれている深刻な実態にこそ目をむけてください。
学校現場で聞いた深刻な事例
私は、北九州市内の小学校の養護教諭、保健室の先生からお話を聞きました。
「最近、保険証のない家庭の子どもが増えています。こんなことがありました。子どもが学校で指を骨折して、親に電話して病院に連れて行くと話すと、『実は保険証がない』とのこと。この子の場合、お父さんが了承してくれましたが、窓口で1万円近く払わなければなりませんでした」
養護の先生は、「保険証がない家庭の子どもは、『うちは保険証がないから』と病院にいきたがらない」っていうのです。また、続けて病院にいくことはなく、たいてい途中で通院をやめてしまうそうです。
ケガや病気のたびに、保険証のない家庭の子どもたちは、こういう現実に直面していることに胸が痛みます。養護の先生は、「せめて、中学校まで、義務教育のうちは保険証を取り上げないでほしい。中学生が一番ケガが多いのです」と言っていました。
1人の養護教諭に聞いただけでたくさんの深刻な事例が出てきます。心身の成長期にある子どもに、受診抑制がおきれば、その子の将来にわたって取り返しのつかない事態にもなりかねません。いま紹介したような状況におかれている子どもが、県内に中学生以下で、少なくとも1000数百人もいるんです。一刻も放置できないと思います。
そこで、義務教育関係の担当部署の方にお聞きしたいのですが、保険証がない子どもたちのこうした事例を把握しておられますか?また、私が紹介したような事例について、学校教育を担当されている立場で、どのような感想をもたれますか?
教育振興部・体育スポーツ健康課長
保険証がない世帯の子どもの人数などは把握しておりません。保険証がない世帯の子どもが病気のさいなどはそのような事態になっていることは把握しております。そのさいは、学校側から民生委員さんに連絡をしておりますが、国民健康保険の問題は所管ではありませんのでそれ以上は難しいのが現状です。
医療保険課長
資格証明書というのは、あくまでも収納率を向上させるために、法令にもとづいて発行しているものですので、子どもがいる世帯だからといってその例外ではありません。
真島議員
資格証明書が「収納率の向上」を口実にしていることはわかっていますよ。しかし、子どもがいる世帯は、自治体の判断で除外できるんです。厚生労働省も言っているし、実際に資格証明書発行数の多い都市部でも、「子どもがいる世帯」には発行していない自治体も増えています。
また、教育を担当されている体育スポーツ健康課長に、感想を聞きましたが、把握してるかどうかではなく、少しは「心が痛む」みたいなことが言えないのですか。
本当に、心がないお答えを聞いて残念でなりません。
最後に再度2点要望します。
一つは、乳幼児医療費助成の対象の子どもがいる世帯、せめて義務教育期間、中学生までの子どもがいる世帯の保険証は取り上げない、「資格証明書」の交付はするべきでないという考え方を県としてただちにしめしてほしいと思います。
もう一つは、資格証明書交付率が高い自治体では、滞納者が役所に接触してこないからと、機械的・一律に交付する扱いをしていないかどうか、県が言うように発行する前に個別事情が勘案されているかどうか、ぜひ点検して指導・助言をしていただきたい。
以上で質問を終わります。
