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トップ > 議会質問集 > 2009年2月議会 一般質問(真島省三)

議会質問集|日本共産党福岡県議団

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2009年2月議会 一般質問

経済的理由で医療や介護、教育から排除される県民をなくす
緊急のとりくみについて

2009年3月5日

真島議員

おはようございます。日本共産党の真島省三です。

我が国のGDPの落ち込みは、金融危機の震源地アメリカよりも際立ち、多くのエコノミストが、「内需を犠牲にして輸出を増やしてきたツケだ」と指摘しています。

いまこそ、内需拡大のために雇用を守り、社会保障を拡充する政策への転換が必要です。本日は、雇用と景気の急激な悪化のもと、社会保障や教育から排除される県民を生まない県のとりくみについて伺います。

第1に、国民健康保険制度の運用について伺います。

無職者や非正規社員が集中する国民健康保険は、昨年9月15日現在、本県では、15.7%、約12万世帯が滞納し、短期保険証と資格証明書交付は12%と全国一です。しかも滞納世帯の19%、2万2900世帯に資格証が交付され、事実上「無保険」状態です。

昨年10月厚生労働省は、子どもに医療の必要性がある場合の速やかな保険証発行を通知し、昨年12月には中学生以下の子どもを救済する改正国保法が成立しました。さらに1月20日、資格証交付世帯に医療の必要が生じ、世帯主が医療費の一時払いが困難だと申し出た場合、保険証を発行するようはじめて閣議決定されました。

そもそも法律では、災害、病気、事業廃止などの「特別な事情」がある場合は保険証の取り上げはできないとしており、実際県内19の自治体は「特別な事情」を認め資格証を交付していません。

空前の失業と不況に苦しむ県民の現状は、まさに「特別な事情」です。県として、市町村が、病気や失業・倒産などで「払えない」人からも保険証を取り上げていないか調査し、「機械的、一律な運用」で医療を受ける権利を奪わないよう指導すべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。

厚労省は、滞納者の事情をよくつかみ、機械的、一律な資格証発行をしないよう、相談しやすい環境をつくり、減免制度の紹介はもちろん、生活保護や多重債務等の部門とも連携するよう通知しています。しかし県内の市町村では、減免制度さえ十分活用されていません。市町村には国民健康保険法77条にもとづく減免条例がありますが、事業の休廃止や収入の減少を対象にしているところは少数です。また、「世帯主が失業などの特別の事情にあるとき、医療費の一部負担金を減免する」44条にもとづく実施要綱がある市町村は2割以下で、07年度の適用件数はゼロです。今日の経済情勢にも鑑み、法律で定められた実効性のある減免基準の策定と運用をおこなうよう県として指導すべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。


第2に、「後期高齢者医療制度」の運用、及び健康診査への県の財政支援について伺います。

昨年末時点で1万人をこす方々が保険料を滞納しており、このままでは資格証明書の交付対象となります。もっとも所得の低い普通徴収の高齢者への資格証発行は、即受診を阻害し、健康を脅かします。旧老人保健法でも、医療をもっとも必要としている75歳以上の高齢者は、資格証交付対象ではありませんでした。県として高齢者への資格証交付をしないよう広域連合と市町村に求めるべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。

広域連合は本人負担500円で健康診査事業を始めましたが、1月末の実施率は実施見込み7万8千人の16%弱です。実施見込み数の一部負担金を無料にするには、県が約4000万円負担すればすみます。本県高齢者の保険料負担は全国一です。せめて県として、健康診査ぐらい無料で受けられるよう財政支援をおこなうべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。


第3に、特別養護老人ホームの整備促進について伺います。

本県では特別養護老人ホーム入所待機者が約1万5500人、うち自宅待機者は約4200人にのぼります。県の高齢者保健福祉計画で各保健福祉圏域の待機者数に応じた抜本的整備計画を策定するよう求めます。とりわけ、入所希望者で「要介護4・5」の自宅待機者=約1000人分の整備は2年程度で一気におこなうべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。これは「介護難民」の解消だけでなく、地元企業に緊急の仕事をつくり、介護分野での雇用を創出する一石三鳥、四鳥の雇用対策になります。


第4に、私立高校の生徒への授業料助成制度の拡充、及び緊急の学費支援について伺います

国際人権規約では「高等教育を段階的に無償にする」と定めており、欧米のほとんどの国では高校の学費はありません。本県は全国3位の4割もの生徒が私立高校に通っていますが、授業料は県立の2.3倍、初年度納付金は4.7倍です。私立高校の授業料軽減対象者の割合はこの6年で1.3倍に増えています。生活困窮世帯への県の授業料助成制度は、県立は「全額減免」なのに、私立は県立高校授業料相当額の「軽減」で、なお平均で年間約16万円、初年度納付金約45万円が必要です。県の授業料助成制度の抜本的な拡充が必要だと考えますが、知事のご所見を伺います。

日本私立中学高等学校連合会の調査では、昨年末に授業料を滞納している私立高校生は3月調査の3倍に増えています。滞納率が5.7%、6551人と全国一高い九州は、3月の3.8倍です。その大半は本県です。2月15日の朝日新聞では、本県のある私立高校では各学年20人程度が滞納し、「この1~2年でずいぶん増えた」、「定期代が負担になり、自転車通学が増えた」という学校側の話が紹介されていますが、私が直接お話を聞いた北九州市内の私立高校でも、同様の話がありました。

高校生には何の責任もない「100年に1度の景気悪化」で、退学せざるを得ない生徒が生まれることはあってはなりません。政府も、08年度補正予算の「地域活性化・生活対策臨時交付金」を私立高校の学費支援に活用するようすすめています。知事の決断で、「臨時交付金」を活用し、私立高校の生徒への緊急の学費支援をおこなうべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。


知事答弁

① 国民健康保険制度の運用について

国民健康保険の資格証明書の交付についてでありますが、県では、これまで市町村保険者に対し、資格証明書を交付する前に、事業の休廃止や病気などの保険料を納付することができない特別な事情の把握を徹底するよう指導しており、すべての市町村保険者において、文書、電話、個別訪問などにより調査した上で、資格証明書を交付しているところです。

保険料や患者一部負担金の減免等についてでありますが、県では、現下の急激な雇用情勢の悪化などの経済状況を踏まえ、保険料や患者一部負担金の支払いが困難となった方に対し、減免や徴収猶予など、実情に配慮したきめ細かな対応がなされるよう、市町村保険者を指導しております。


② 後期高齢者医療制度の運用及び県の支援について

高齢者への資格証明書交付についてでありますが、被保険者間の公平性と保険料の収納確保を図ることを目的として、資格証明書の制度が設けられております。

県としましては、滞納期間が1年を経過したことをもって、一律、機械的に資格証明書を交付するのではなく、滞納初期の段階から、保険料が納付できない特別な事情の把握に努め、きめ細かな対応をするよう、広域連合及び市町村を指導しております。

後期高齢者健康診査の無料化のための助成についてでありますが、この健康診査は、法に基づき、保険者である広域連合が保険事業の一環として実施するもので、その経費は、国、市町村、保険料でそれぞれ3分の1を負担することとなっており、市町村負担分には地方財政措置が講じられています。


③ 特別養護老人ホームの整備促進について

特別養護老人ホームの整備についてでありますが、市町村から提出を受けたサービス必要量の見込を基に、現在、各保健福祉圏域の入所申込者の状況や圏域を越えた入所状況などから広域的な調整を行っているところであります。

その結果に基づき、今後3年間の新たな整備計画を策定することとしております。


④ 私立高校生への県の授業料軽減制度の拡充について

授業料軽減制度の拡充についてでありますが、経済的理由により修学が困難となる生徒に対しましては、県立高等学校授業料相当分を上限に授業料の軽減措置を行っているところであり、また、入学支度金や修学に必要な経費については県の奨学金制度を設けているところであります。

経済・雇用状況の悪化に伴う緊急の学費支援についてでありますが、保護者の失業などにより家計が急変した生徒に対しましても、現在の授業料軽減制度を適用しているとろこであります。

今後は、学ぶ意欲のある生徒が修学を断念することがないよう、学校を通じて引き続き、生徒・保護者に対し、授業料軽減制度の周知を図るとともに、対象者の増加にも適切に対応して参ります。


真島県議再質問

国民健康保険制度の運用について要望します。

「文書、電話、個別訪問をしたのに音沙汰がないから悪質だ」と、福岡市は滞納世帯の23%に資格証を発行し、北九州市は「半年の滞納」で発行してきました。両市とも病気やケガで相談に行っても滞納分を納めなければ保険証を出さない対応をしてきました。こういう運用に対して、昨年12月に厚労省が「市町村によっては一律、機械的な運用がなされている懸念もある」と国会答弁し、1月の閣議決定に至ったのです。

全国保険医団体連合会の調査では、本県の資格証交付世帯の受診率は、06年度、一般被保険者の142分の1で、病気を悪化させ病院に担ぎ込まれるなど、国民皆保険制度は深刻な危機に瀕しています。

急激な雇用情勢の悪化のもと、機械的な資格証交付で県民の命を奪うことにならないよう、知事が答弁されたように、資格証交付前に特別な事情を把握することや、保険料や一部負担金の支払いが困難な方々への減免や徴収猶予などの対応がなされるよう市町村への指導を徹底していただくよう強く要望し質問を終わります。

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