2009年6月県議会 一般質問
中小企業対策の抜本的強化について
2009年6月15日
日本共産党の真島省三です。
中小企業支援の強化について質問します。
福岡県商工団体連合会が4月に発表した、約2000の零細業者におこなったアンケートでは、6割が本業だけでは生活できず、「年金」、「本人や妻のパート・アルバイト」、「預金・生命保険の取り崩し」などで食いつないでいます。
私も、地元で「深夜、妻がコンビニ用の惣菜を作りにいく」、「事業主がタクシーや運転代行のアルバイトをしている」などの深刻な話をたくさん聞いています。
県内企業の99.7%、雇用の7割を担う中小企業の経営を守ることなしに、本県経済の活性化と地域再生はありえません。
まず、下請け製造業への対策です。
発注量の大幅な削減や発注ストップなど、下請け企業に対する大企業の一方的な契約変更について、経済産業大臣も「好ましいことではなく、違法に近いものもたくさんある」と答弁しています。
しかし、政府の「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」は、罰則規定もなく、是正するにはあまりにも力が弱すぎます。
県内でも、大手自動車メーカーや電機産業の減産による「下請け切り」は深刻で、生産ゼロのところもあり、事業所の存亡にかかわる事態が広がっています。
廃業という最悪の事態を食い止め、地域のかけがえのない財産であるモノづくりの技術と技能の継承を支援するためには、貸し工場の家賃など下請け業者の固定費補助などをおこなう下請け製造業者の「緊急休業補償制度」の実施が切望されています。
県として、国と大企業の拠出でそのための「基金」を創設するよう強く働きかけていただきたいと思いますが、知事のご所見を伺います。
次に、中小建設業支援のための民需の拡大策として2点伺います。
ひとつは、「住宅リフォーム助成制度」の創設についてです。
中小建設業の仕事おこしにつなげる「緊急経済対策・雇用促進事業」として、「住宅リフォーム助成制度」を復活、拡充する自治体が広がっています。
同「制度」は、住民が地元業者に依頼してリフォームを行った場合に経費の5~10%を自治体が助成することにより、居住環境の改善を促し、中小零細業者の振興を図るものです。
実施自治体では、助成額の10数倍~20倍の工事が実施され、その数倍の経済波及効果を生んでいます。
わずかな予算でも確実に中小業者の仕事おこしにつながっています。
「リフォーム助成制度」は、5月11日現在、19都道府県の83自治体で実施されています。
ところが、本県では実施している市町村は一つもありません。
県としてただちに調査・検討し、県内市町村に制度創設を促すためにも、まず県の助成制度を創設していただきたいと思いますが、知事のご所見を伺います。
もうひとつは、木造住宅の耐震改修の促進についてです。
阪神・淡路大震災の多くが建物倒壊による圧死でした。
県が、2006年の「耐震改修促進法」の改正を受けて、2007年に策定した「耐震改修促進計画」は、77%の住宅耐震化率を、2015年度末までに90%にする目標です。
9年間で24万7千棟の住宅の耐震化をはかる計画です。
業界団体の試算では、耐震補強工事の平均施工金額は約129万円です。
県の計画通りに耐震改修が進めば、毎年350億円をこえる工事が地元業者にもたらされ、地域経済の活性化につながります。
そして県の計画でも「潜在的需要が増加しているリフォームと一体となった耐震改修を促進する」としており、先に述べた「住宅リフォーム助成制度」の創設が切に求められているのではないでしょうか。
今年1月の日本木造住宅耐震補強事業者協同組合のまとめでは、木造住宅の耐震補強がいぜん進んでいないことがわかりました。
84%の木造住宅が耐震基準を満たしておらず、このうち「倒壊する可能性が高い」家屋は57%を占めています。
一因として、せっかく国の耐震改修助成制度があるのに、これは市町村に助成制度がなければ利用できず、財政難を理由に市町村の制度創設が遅れていることが指摘されています。
そこで国交省は、「助成制度を有していない地方自治体にその創設を促すため」として、2009年度第1次補正予算で「モデル事業」を創設しました。
市町村はこの事業を活用すれば、新たな財政負担なしに助成制度の創設や拡充をはかることができます。
本県では「戸建住宅の耐震改修補助制度」は、両政令市だけしかなく大きく遅れています。
県としてすべての市町村に「耐震改修助成制度」を早急に実施するよう強く促すべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。
最後に、地元中小企業の振興につながる公共事業改革についてです。
大型公共事業よりも、生活・環境・安全の公共事業の方が雇用や地域経済への波及効果ははるかに大きく、そこへの毎年の公共投資は地域循環型の経済成長を促します。
ダム、道路、空港などの大型開発は必要性、採算性、環境への影響という3つの角度から総点検し、中止を含む大胆なメスを入れること、あわせて、住民の命・安全にかかわる老朽化した既存インフラの耐震化とあわせた維持・補修、更新のための予算を抜本的に拡充すること、県営住宅や認可保育所、特別養護老人ホームなどの待機者数に見合う施設整備を3年計画でおこなうことを要望します。
さて、4月10日、「最低制限価格・低入札価格調査基準の設定基準」が20年ぶりに引き上げられました。
国交省がこれを受けて各都道府県に出した通達では、「建設産業を取り巻く環境が極めて厳しい状況をかんがみ、建設業が地域の雇用を確保し、地域産業の中核として持続的に発展できるよう、適正価格での契約を推進する観点」が明記され、「最低制限価格・低入札価格調査基準制度」の対象工事の拡大や、同制度を導入していない市町村への指導、入札及び契約手続きの改善、予定価格の事前公表の取りやめなどを要請しています。
これをふまえ、県としてただちに実行できる施策として、4つお伺いします。
第1に、「地域の仕事は地元の建設業者に発注する」ことが当たり前になるように、「分離分割発注」を最大限おこなうことや「小規模工事希望者登録制度」の創設が必要だと考えますが知事のご所見を伺います。
第2は、公共事業において、“下請業者が赤字になる”、“建設労働者が生活できない”などの事態をなくすために、労働者の標準生計費を基準にした設計労務単価を保障する予定価格や最低制限価格の設定が必要だと考えますが知事のご所見を伺います。
第3は、「総合評価方式」のなかで、適正な下請け単価や賃金、建設業退職金共済の運用など、地元建設業者の育成という観点も評価するべきだと考えますが知事のご所見を伺います。
第4に、本県では、施行体制台帳の作成義務づけと確認は、下請契約の請負代金が3千万円以上の場合だけ、一次下請までしかチェックしていません。
しかし、重層下請構造のもとで、丸投げと低価格発注が常態化し、一方的な契約変更、工事代金の支払い延期や不払いが横行し、まじめな零細業者が泣かされています。
県の公共事業で、こうしたことは許さないという姿勢で、下請契約や代金支払いの適正化を図るべきだと考えますが知事のご所見を伺います。
知事答弁
①下請企業の保護について
県では親企業を対象に業種ごとの講習会を実施するほか、「下請かけこみ寺」を設置し、相談員による専門的なアドバイス、弁護士によるトラブル調停等を実施しております。
さらに、公正取引委員会に対して、不公正取引に関する罰則の強化をはじめ、実効性のある対策実施を要請するなどにより、下請け業者の保護と下請け問題の解決を図って参る考えです。
②住宅リフォーム助成制度について
県といたしましては、住宅リフォームを促進するため、アドバイザーの派遣、大工・工務店に対する技術向上のための研修会の実施、市町村と連携した相談窓口の設置等に取り組んでおります。
今後も、県民の方が安心してリフォームできる環境整備を行い、県下のリフォーム市場の活性化を図って参ります。
③木造住宅の耐震改修の促進について
県といたしましては、市町村に対して、地域の実情に応じた対策が図られるよう、耐震改修促進計画策定を支援し、併せて助成制度などに関する情報提供に取り組んで参りたいと考えております。
④分離・分割発注の推進と小規模工事に関する登録制度について
本県では、分離・分割発注の積極的な推進を決定するとともに、県内市町村や公社等外郭団体に対しても同様の取り組みを要請したところです。
本県では二百五十万円以下の小規模な工事については、随意契約ができることとしています。
その際には、適正な施工を確保するため、「福岡県建設工事競争入札参加資格者名簿」の事業者から選定しているところです。
⑤公共事業における予定価格等の設定について
予定価格については、市場価格を反映した労務単価、資材単価等に基づき適正に積算し、設定しているところです。また、最低制限価格は、工事品質の確保、建設作業員の賃金低下や労働災害発生を防止するため、その算定方法を見直し、本年五月から引き上げを行ったところです。
⑥総合評価方式での評価項目について
適正な賃金の支払いや建設業退職金共済の適切な運用につきましては、本来、公共工事の受注者が遵守すべき事項であります。
したがいまして、企業の技術力などの優れた点を評価、加点する総合評価方式の評価項目にはなじまないと考えております。
⑦下請契約や代金支払いの適正化について
県が発注する公共工事につきましては、元請業者に対し、下請契約報告書の提出を求めており、また、下請契約における代金支払いにつきましては、できる限り現金払いとするよう指導しております。
引き続き、下請契約や代金支払いの適正化に努めてまいります。
第2質問
知事。町場の中小業者の声が聞こえますか?
「月に数日しか仕事がない」、「仕事が半分になった」、「賃金や単価が一方的に切り下げられた」と生活が困窮するなかで、自殺に追い込まれている人も生まれています。
中小企業のみなさんからは、「大企業には何十億円も立地交付金をバラまいて、おれたちには『融資』だけか」という怒りの声があがっています。
制度融資だけでは限界にきています。
本日私が提案した内容について、真剣にご検討いただくことを強くもとめて質問を終わります。
日本共産党福岡県議会議員団
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