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議会質問集|日本共産党福岡県議団

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2009年9月県議会 一般質問

「中国・九州北部豪雨災害」の復旧対策等について

2009年10月1日

こんにちは、日本共産党のまじま省三です。

「中国・九州北部豪雨災害」の復旧対策等について質問します。


北九州市の紫川で床上浸水の被害にあった方に聞くと、「見舞金を県から1万円、市から1万5千円いただいた。ありがたいが、畳1枚かえるのに1万2千円かかる」とおっしゃいました。

床上浸水だと、畳替えや床や壁の全面的な改修、家財道具の買い替えで数百万円かかります。

生活再建のめどがたたず、長年住み慣れた地を泣く泣く後にした方が何軒もありました。

県下52市町5544棟の家屋被害に対して、「被災者生活再建支援法」にもとづく支援金の支給は、災害救助法が適用された飯塚市の5世帯、1163万円だけです。

対象も「全壊」と「大規模半壊」だけ。

全壊でも最高300万円と解体費用にさえ足りません。

大分県では、市町村の被災者支援に県が2分の1以内を補助し、全壊最高300万円、半壊最高130万円、床上浸水にも5万円を支給する「被災者住宅再建支援事業」をおこなっています。

知事は、国の「支援制度」を被災の実情に即したものに拡充することを要望されていますので、現行制度では被災した県民の生活再建ができないと認識されているはずです。

① 国の制度改善を待たず、すべての被災者を対象にした再建・自立にむけた「県独自の被災者生活支援制度」の創設が必要だと考えますが、知事のご所見を伺います。


中小業者からも、「今年購入した数千万円の機械が浸かった」、「土石流が厨房に流れ込んで旅館が休業に追い込まれた」、「床下浸水でも商品に大損害」など、悲痛な声が届いています。

商工被害は、31市町村、1279事業所で、被害総額約21億9800万円にのぼりますが、県が実施している「緊急特別融資」の申し込みは、9月11日現在で69件にとどまっています。

制度を紹介したらたいへん喜ばれているのに、周知が遅れているのではないですか。

②把握している1279の被災事業所に周知するためにどうとりくむのか、知事のご所見を伺います。


本県では、今回をふくめ10年間に4回も大規模災害がおきています。

国交省によると、2007年まで10年間の本県の水害被害額は全国19位、家屋等を含む一般資産被害額は名目額で全国12位の約953億円です。本県は「災害多発県」です。

新潟県では、2004年の中越大震災や2007年の中越沖地震のさいに、復興基金を設立し、住宅・生活再建や地域経済の復興、個人宅地の復旧工事費の助成、中小企業支援など、毎年新たな事業メニューを追加して、総合的できめ細かな支援をしています。

③ 本県でも、必要な体制と「基金」をつくり、総合的な復興支援事業をすすめることがもとめられていると思いますが、知事のご所見を伺います。


御笠川や飯塚市の明星寺川では、今回の記録的豪雨でも大きな浸水をしていません。

実際に災害がおきたときの被害額より、抜本的な災害防止策をおこなった場合の費用対効果がはるかに大きいことが実証されました。

ところが、1997年改定の河川法にもとづく本県の「河川整備計画」策定は、1級水系10のうち1、2級水系52のうち7にとどまっています。

④「河川整備計画」の策定を急ぐべきだと考えますが、知事の答弁をもとめます。


福岡都市圏を貫流する那珂川では、7月の豪雨で氾濫危険水位を長時間にわたってこえ、各所で浸水などの被害が出て、“天神地区に甚大な被害を及ぼす氾濫”の直前という状況にいたりました。

ところが、県の「那珂川広域河川改修事業」は1975年から2031年の56年もの工期を要するものになっており、進捗率はわずか12%です。

⑤ 今回の豪雨を受けて、那珂川の河川改修を早める必要があると考えますが、知事のご所見を伺います。


北九州市の小倉南北を貫流する紫川と東谷川では、1999年、2003年にも浸水被害が発生し、7月豪雨ではかつてなく多くの箇所で浸水被害が発生しました。

今回の溢水箇所には、堤防のない所もあり、川底に大量の土砂が堆積して、そこに柳がうっそうと茂っていました。

私も4月に住民といっしょに北九州土木事務所に改善を申し入れていました。

県は紫川の「河川整備計画」をいまだ策定しておらず、東谷川では治水計画すらありません。

⑥ 紫川及び東谷川の河川改修の現状認識と今後の方針について、知事のご所見を伺います。


2008年度までの20年間に河川の災害復旧事業は、政令市を除いて1万4921箇所の「原型復旧」がおこなわれていますが、「再度災害防止の改良復旧」はわずか40箇所です。

⑦ 県としてきめ細かな改良復旧をおこなう必要があると考えますが、知事のご所見を伺います。


県内の「土砂災害危険箇所」は約1万3千箇所で、その区域内に約5万3千戸があります。

そのうち、整備対象の目安となる人家5戸以上の箇所が約6300箇所ですが、整備済みの箇所は約850箇所しかありません。

⑧ 今回の記録的な豪雨をうけて、整備を急ぐ必要があると思いますが、知事の答弁をもとめます。


土砂災害防止法(01年度施行)にもとづき本県が指定した「土砂災害警戒区域」は、約1万3千の土砂災害危険箇所のうち4市530箇所しかなく、全国でも著しく遅れています。

警戒区域の指定は、危険を周知し、警戒避難体制の整備を図り、開発の抑制など防災の観点にたった県土利用を促進するためのものです。

指定の遅れは、災害への備えが遅れ、開発に抑制がかからず、危険箇所が増えてしまいます。

⑨ 必要な予算と体制を確保して指定を急ぐべきだと考えますが、知事の答弁をもとめます。


知事答弁

①災害の被災者の生活再建の支援制度でありますけども、これは一定規模以上の災害を被った場合には、その被災者に対しまして、生活再建の支援制度を、これは、全都道府県が協力しまして、拠出した基金を使って行う制度でありますが、これを設けております。今回の場合を見ましても、この対象のとり方が少し狭すぎるという問題がございました。この点につきましては、今回は幸いに、義援金によって手当をすることができておるわけでありますが、そのような制度の改善を行って参りたいと思っています。このようなことでありますから、これとは別に、県独自の支援制度・基金を設けるということは、考えておりません。


②災害の対応のための緊急特別融資についてでありますけども、これは災害発生以来、この制度をつくりまして、これは新聞、あるいはいろんな公報媒体で周知をしております。商工会議所とか商工会にも相談窓口を設置いたしまして、経営指導員等を通じまして、個々の被災企業に対しましても情報提供を行っているという状況でございまして、これは、このような情報をよく見ながら使ってもらいたいと思っておるわけでございます。


③それから、復興支援事業の推進体制でございますが、今回の豪雨によります災害の復旧を迅速かつ的確に進めますためには、本部長を知事といたしまして、災害の復旧本部をただちに設立いたしまして、各部におきます復旧事業の早期の実施、被災者に対します支援を行って参りました。

被災者の生活再建を支援いたしますためには、災害見舞金、県営住宅への入居、一時使用、中小企業への先ほど申しましたような、特別の融資制度を行っているわけでございます。さらに、農業分野におきましては、新たに大豆の種の播き直しに対する助成措置も設けました。

このような事でございますが、このような復興活動のために、別途特別の基金を創設するということは考えておりません。必要に応じまして、今回のように補正予算を組むというようなことで、対応をして参りたいと思います。


④河川の整備計画の策定についてでございます。河川の整備計画、これは、治水、利水あるいは水の環境整備について、総合的に行うわけでございまして、学識者の意見を聞くことはもちろんでありますけれども、関係水域の住民の皆さんの意見も聞きながら、策定をいたしております。

現在、策定済みのもの、策定中のものを含めますと、一級河川で7圏域、二級河川で9水系でございます。残りの河川につきましても、それぞれの優先度に応じまして、順次策定をしたいと考えております。


⑤那珂川の改修の問題についてであります。那珂川流域の治水対策、これは下流域が人口密集地であるということでございます。このために、河川改修とそれから五ヶ山ダムの建設、これを組み合わせることによって、より効率的・効果的に行うということで、ずっと進めているわけであります。

また、河川改修につきましては、現在下流より順次、浚渫・護岸などの補強工事を行っております。

今回の被災状況を踏まえまして、整備の優先度を勘案しながら、早期に効果があがるように整備を進めて参る考えであります。


⑥紫川と東谷川の改修の点についてであります。紫川につきましては、現在この長期的な河川の整備についての目的・目標を定めます河川整備基本計画、これを国と協議中であります。これができ次第、次に、東谷川とともに河川の整備計画を策定・着手いたします。

今回の豪雨によりまして、床上浸水、河川施設の損害が発生いたしました。これにつきましては、施設の被害につきまして、国の災害査定を受ける必要があるわけでありますが、これの作業を行っております。また、今後の対策につきましては、査定を受けて復旧するとともに、関係機関との協議を行って参る考えであります。


⑦災害の改良復旧工事についてでありますが、災害復旧を行いますためには、原形復旧をするということで、まず急いで行おうという考え方がありますが、原形だけでは十分ではないという場合には、改良を加えた工事も行っております。


⑧土砂災害危険箇所についてでございますが、この整備を行う必要とする箇所は、非常に多いわけでございますが、その整備には多くの時間と費用を必要といたします。

そのため、保全と保全の対象となります人家の戸数、老人福祉施設などの有無、さらに過去の災害履歴などを総合的に判断いたしまして、順次対策工事を実施しております。

今後、危険箇所の整備を進めますとともに、土砂災害警戒区域の指定といった対策も併せて推進をして参ります。


⑨土砂災害警戒区域の指定の点についてでありますが、これはこの地形、地質、降雨の状況につきまして基礎調査を行い、全箇所をしますと、全箇所の現地調査などが必要でございまして、作業量が膨大でございます。また、この指定ということに対する、地元としてのいろんな感情もあるということでございまして、時間を要しております。

現在の指定箇所数でございますが、約530箇所となっておりますが、今後とも指定を早めていくということに努力をして参ります。


第2質問

知事には、本県が「災害多発県」という認識があるのでしょうか。

全国知事会の「先進政策バンク」でも紹介されている鹿児島県の「被災者生活支援金制度」は、県と市町村で「基金」をつくり、国の支援対象世帯をのぞく、床上浸水以上の世帯や小規模事業者に、限度額20万円の「支援金」を支給しています。

2006年の鹿児島県北部豪雨災害では、国・県合わせ、床上浸水以上の世帯の約88%にあたる1696世帯と237の小規模事業者に支援金が支給されました。

被災した住民や中小業者は、「もう一度被害にあったら立ち直れない」と口々におっしゃいます。

繰り返される自然災害によるすべての被災者が一刻も早く生活となりわいを再建できるよう、「災害復興基金」をつくることを再度要望します。


那珂川の南畑ダムや紫川のます渕ダムのように、今度のようの記録的な降り方をしたら、ダムは短時間で「あふれ出すか、それを避けるために放流するか」という大惨害直前の状況にいたることが明らかになりました。

国土交通省は、「近年の水害が、“記録的豪雨”と“水害に弱い都市構造”の相乗効果で、大災害に発展している」として、河川整備にくわえ流域を含めた「総合的治水対策」を強調してきました。

ところが、本県の治水対策は、予算をみてもダム開発優先で、河川改修が後回しにされてきました。

本県の河川改良や砂防予算は10年前より年額167億円も減り、10年間で3割以上減っています。

河川改修、森林や水田の保全、既存のため池や貯留施設、遊水地の整備、乱開発の抑制など、今回の災害の教訓を生かした「総合的治水対策」の促進を強くもとめ、質問を終わります。


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