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議会質問集|日本共産党福岡県議団

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2008年決算特別委員会

「2008年度決算」特別委員会で真島省三県議が質問
7分野にわたって県政をただす

2009年11月14日

2008年度福岡県の決算を審議する特別委員会(決算特別委員会)が10月27日から11月6日に開催され、質問メンバーに選ばれた真島省三県議が、次の7分野に渡る質問を行いました。 質疑の詳細をお知らせします。


  1. 指定管理者制度について (質問日10月27日)
  2. 新型インフルエンザ対策における「無保険者」対策 (質問日10月28日)
  3. 災害被災者生活再建支援制度について (質問日10月29日)
  4. 紫川の治水対策について (質問日10月30日)
  5. 少人数学級の推進と教職員の待遇改善について (質問日11月2日)
  6. 総括質疑 雇用を守る緊急対策について (質問日11月4日)
  7. 知事保留質疑 雇用を守る緊急対策について (質問日11月6日)

指定管理者制度について (質問日10月27日)

真島 日本共産党の真島省三です。

指定管理者制度について質問します。

はじめに、委員長、本県の指定管理者制度についてまとめていただいたものを資料要求しておりますので、取り扱いをよろしくお願いします。

2003年の地方自治法改定で、「公の施設」の管理・運営について、従来の「管理委託制度」に代わって、「指定管理者制度」が導入されました。

指定管理者制度の目的は、「民間の能力を活用し、住民サービスの向上を図るとともに、経費の縮減等を図る」ものとされていますが、利用者サービスがどのように向上しましたか?また、経費はどの程度縮減できましたか?

答弁(人事課長) 配布資料「指定管理者について」をご参照ください。

利用者サービスの向上としては、「開館時間の延長や夏休み期間中の毎日開園」、「利用者アンケートにもとづく設備の充実」などがございます。

経費節減効果でございますが、導入前の平成17年度と21年度の当初予算の比較では、5億8000万円でございます。

真島 いまあげられた利用者サービスの向上の内容が、県や公共団体ではできない、民間でないとできないという理由は何ですか?

答弁(人事課長) 指定管理者制度の導入によりまして、委託の対象者をこれまでの公的団体から広く民間事業者に拡大いたしました。民間事業者のノウハウをいかすことによって、より良いサービスの向上を図ることができたと考えております。

真島 「成果」としてあげられた「利用者サービスの向上」の具体的な内容は、住民の要求や請願、議会での要望や提案、住民・利用者の直接的な運営参加などを通じてできることばかりです。

もうひとつ解せないのは、「開館時間の延長、夏休み期間中の毎日開園、早朝の利用申請の受付」などをすれば、普通に考えれば人件費は増えるのではないでしょうか。

委託費の多くは人件費だと思いますが、指定された管理者は利用者サービスを向上させながら、どこで約5億8000万円もの経費を削減しているのでしょうか?

答弁(人事課長) 簡易業務へのパートの採用による人員配置の見直しのほか、消耗品の一括購入や契約方式の見直しなどによって経費の節減がはかられております。

真島 「平尾台自然観察センター」を管理している「ハートランド平尾台株式会社」のスタッフ募集要項をみると、1年以内の有期雇用ばかりで時給は750円です。

短期契約とコスト削減で、非正規雇用を増やし、「官製ワーキングプア」をうみ出していないでしょうか。職員のモチベーションと専門性が低下すれば、サービスの低下や事故の原因ともなります。滋賀県や和歌山市では、指定管理者の公募条件の一つとして、労働者の賃金単価基準を設定・公表し、熊本市では一般行政職員の給与表を参考にした単価を設定しています。

千葉県野田市は、市発注の公共事業や業務委託に携わる労働者に、市長が定める最低額以上の賃金水準を確保する全国初の「公契約条例」をこの9月につくりました。

県として、管理者が代わろうとも雇用を継承するルールや賃金単価基準を定めることを要望します。

次に、指定管理者の選定手続についておたずねします。

本県では、2009年4月現在、指定管理者制度導入施設は38施設です。

うち63%の24施設で公募し、13施設で株式会社が指定されています。

県営都市公園では11のうち10施設で、株式会社が指定されています。

また、県営公園施設は応募数も多く、指定された企業をみると、九州電力、西鉄、イオン、西部ガスなど大企業とその関連・グループ企業が名を連ねています。

地場の中小企業をおしのけて、大阪に本社のある資本金32億3800万円の大企業が2つもの施設で指定されています。

県営公園で、結果としてこのように大企業ばかりが選定されている主な理由は何ですか?

答弁(人事課長) 指定管理者の選定にあたっては、施設の設置目的を効果的に発揮することができるかどうかという視点で選定しております。

県営公園においても、大企業を優先して選定しているものではなく、優れた提案をし、管理団体として最も適切であると認められる地場の中小企業も実際に選定をされております。

真島 昨年公募をおこなった県営春日公園でいえば、7団体が応募していますが、指定されたのは資本金206億2979万円の西部ガスとそのグループ企業のファイブの共同事業体です。

選考の過程で、過去にのべ16年春日公園で仕事をし、公園の隅々まで知り尽くし、利用者の切実な要望をふまえた「ナイター設備の利用時間の延長」などの具体的な改善提案もおこなっていた県内の企業が落とされました。

この企業は、利用者団体や地元商工会、学校の意見を聞いて、事業計画にも反映しています。

公園にいる30数人のホームレスの方1人ひとりに、人としてていねいに接して、トイレ掃除や落ち葉拾いなどの仕事を手伝ってくれるまでに自立を促していったという実績もあります。

雇用は正規が基本で、現場の専門家を大切にしてきました。

ところが、「実績」の評価ではこうした会社に「C」がつき、西部ガス・ファイブ企業体には「A」です。業務について豊かな知識と経験を有している企業が落とされ、西部ガス・ファイブ企業体が選ばれた大きな理由は何でしょうか?

答弁(人事課長) 西部ガス・ファイブ企業体の選定の理由でございますが、公共性の確保、施設利用及びサービスの向上などの5つの視点に照らして、ひとつは「具体的かつ実現性の高い提案がなされていること」、もうひとつは「活発な公園の利用が期待できる」などから、管理団体としてもっとも適切と評価いたしました。

真島 西部ガスの「安定的な経営基盤」が高く評価されたとも聞いております。

立派なプランをたてっているということですが、西部ガス・ファイブ企業体は、指定されたあと、「管理の仕方がわからないので協力してくれ」とこの会社に頼みにきたそうです。

破綻されたらたいへんですから、「不安定な経営基盤」の企業を指定しないのは当然です。

しかし、健全な経営をしている中小企業と大企業を、もし経営基盤の強弱で優劣をつけたら、それこそ弱肉強食、大手ばかりが管理者を独占し、地場の中小企業は参入できません。

落選した企業の社長さんは、事業計画書をつくるために、東京からコンサルタントをまねいて、約300万円かかったそうです。

「こんなことを繰り返していたら、地元の中小企業は応募しなくなる」と心配しておられました。

公正・公平で、透明性のある制度への改善をもとめます。

さて、地方自治法第244条の「公の施設」とは、住民の福祉を増進する目的で、住民の利用に供するための施設で、県の条例により設置されています。

福岡県都市公園条例第17条の3は、「指定管理者の指定の手続き」を定めていますが、その内容を簡単に紹介してください。

答弁(人事課長) (都市公園条例17条の3を説明)

真島 38の施設への指定管理者制度導入は、20の条例の改定で根拠づけられています。

確認しますが、指定管理者制度が導入されても、個々の施設の公共的な目的と役割は、法律上も条例上も何も変更はありませんよね。お答えください。

答弁(人事課長) 指定管理者制度の導入によって、個々の施設の目的や役割には変更はありません。

真島 本県が施設ごとの条例で指定管理者制度の導入を根拠づけているのは、個々の施設の指定手続きは、個々の施設の公共的な目的と役割をふまえて対応すべきだからです。

ところが、「福岡県指定管理者選定委員会」を設置する要綱では、対象38施設をだたひとつの選定委員会が包括的に審議することになっています。

本県の指定管理者選定手続きについて簡潔に説明ください。

答弁(人事課長) (選定手続きについて説明)

真島 本県の選定委員会は、県庁各部が「審査」した4段階評価の報告をうけて「審議」するだけで、委員自身は評価、審査はしません。

しかも応募が多い場合、県は選定委員会で成績上位の企業の評価しか報告しておりません。

おたずねしますが、県が1位の評価をしたところが、結果として全部指定されたのですか?

答弁(人事課長) 選定委員会では、評価基準にもとづき、的確、公平に評価しているかを審議していただきます。

審議の結果、各部の審査において評価の高い事業者を指定いたしました。

真島 選定委員会の議事録をみればわかるのですが、すべて県庁各部の評価どおりの結論なんですね。

これでは「ご意見うかがい」だけの選定委員会ではありませんか。

各県、各市町村の指定管理者選定の手続きはまちまちで、それぞれ一長一短あります。

しかし、佐賀、熊本、大分、鹿児島など多くの県が本県と違うのは、各部ごと、あるいは施設ごとに「選定委員会」、あるいは「評価部会」をつくって、個々の施設についてていねいな審査をし、「選定委員会」の委員がかなり詳細な点数評価をしていることです。

本県では、昨年度19施設を公募で選定し、10施設を個別選定していますが、これらの29施設の審議を7人の選定委員が3回の会議です。3回の「選定委員会」の審議はそれぞれ何時間ですか?

また、委員で、視察されていますが、29施設のうち何箇所をどれだけの時間かけて視察されたのですか?

答弁(人事課長) 委員会の審議時間は、第1回が2時間、第2回が3時間、第3回が3時間でございます。

現地視察は、施設の種類や性格を考慮し、代表的な6施設をのべ9時間で視察いたしました。

真島 実質29施設の審議をおこなったのは第2回と第3回だけですから、1施設あたり平均12分程しか審議していないのです。

これで、大切な公共施設の管理者を指定する審議が十分にできるでしょうか。

佐賀県は、たとえば「県立吉野ヶ里歴史公園指定管理者候補者選定委員会」というふうに、施設ごとに選定委員会をつくって、しかも委員の構成は「利用者の代表」、「施設で提供するサービスの有識者」、「会計・経理管理の専門家」各1名以上となっています。

「利用者の代表」が入っているのがいいと思います。

本県でも、指定管理者制度導入の根拠条例は20あるわけですから、少なくとも20程度の選定委員会をつくって、利用者代表にも入ってもらって、ていねいな審査をしたほうがよいのではありませんか?そのような改善が必要だと思いませんか?お答えください。

答弁(人事課長) 選定にあたっては、一定の共通した視点や基準から、公平な審査がもとめられます。

したがって、公認会計士や経営コンサルタントなど、財務や経営評価の専門家である7名の外部有識者で構成する選定委員会を設置いたしました。

各部の審査については、ヒアリング等を実施して把握した提案内容を踏まえ、30から35項目の評価項目に沿って審査し、総合的に評価の高い事業者を選定しております。

真島 7人の委員さんは各界のすぐれた方かもしれませんが、どうみても行ったこともない施設について短時間で審議するのは、無理があるのではないでしょうか。

私は、公共施設の意義をふまえ、適切なルールにしたがって、公共性を確保しつつ民間企業が運営することを全面的に否定するつもりはありません。

むしろ指定管理者制度の導入によって、企業の側に社会的責任が強く求められます。

利用者、利用団体の参画、県民の意見反映の保障がいよいよ不可欠です。

最後に2点要望します。

第1に、施設ごと、または根拠条例ごとに選定委員会を設置するか、選定委員会のもとに分科会や部会を置き、利用者代表も委員として参加させて、管理者選定の評価と審査をおこなうように改善すること。

第2に、施設の運営に関しても「運営委員会」を設置し、利用者の代表が参加できるようにすること、指定管理者からの諸報告、監査などを情報公開すること。

施設設置条例に規定されている設置目的にふさわしく、公正・公平に管理者を選定し、施設を運営するための改善を強くもとめて、質問を終わります。


新型インフルエンザ対策における「無保険者」対策 (質問日10月28日)

真島 日本共産党の真島省三です。

新型インフルエンザ対策における「無保険者」対策ついて質問します。

はじめに、委員長、新型インフルエンザ対策との係りで県内の国民健康保険制度の状況をまとめていただいたものを資料要求しておりますので、取り扱いをよろしくお願いします。

本県の2009年10月12日~18日の定点当たりインフルエンザ患者報告数は29.08と、北海道、愛知に次ぐ3番目で、この1週間に約5万7000人が発症しているとみられます。

季節性インフルエンザでもピーク時に定点当たり50~60人にはなりますから、少なくとも1週間に約10万人以上まで発症が広がる可能性は十分にあります。

感染拡大や重症化をふせぐために、考えられる限りの対策を尽くす必要があります。

日本感染症学会は9月15日の「緊急提言」で、「新型インフルエンザは季節性にくらべ決して軽症とは言えません」と警告し、「最も強調したいのは、可能な限り抗インフルエンザ薬を早期から投与すべきこと」だと強調しています。

感染拡大や重症化の防止には、医療機関の早期受診が欠かせないと言われていますが、タミフルは発症後どのくらいの時期が有効なのでしょうか?

答弁(保健衛生課長) 発症後、48時間以内といわれています。

真島 被害の大きな国々では患者の多くが発症後1週間後に初めて医療機関を受診しており、診断と治療開始の遅れが共通しています。

一方、わが国ではほとんどが2~3日以内に医療機関を受診しており、抗インフルエンザ薬による効果的な治療により、患者数が増加しても致死率は極めて低いレベルにあります。

他の感染症と同様、今回の新型インフルエンザでも早期受診、早期診断、早期治療が重要です。

ところが危惧されるのは、さまざまな事情で保険証をもたない人たちが受診の遅れから重症化しかねないことです。

おたずねします。県内で、国民健康保険料を滞納している世帯、保険証を取り上げられ資格証明書を交付されている世帯は、一番最近の調査で何世帯ですか?

答弁(医療保険課長) 6月1日現在、滞納世帯数は13万9216世帯、資格証明書交付世帯は2万3512世帯でございます。

真島 厚生労働省が9月25日付で都道府県に出した、新型インフルエンザの本格的な流行期に入るなかでの「国民健康保険制度の運営」についての「通知」とはどういう内容ですか?

答弁(医療保険課長) 次の2点の考え方が示されています。

ひとつは、資格証明書を短期保険証とみなす取り扱いは、発熱外来での受診が原則であった当事のもので、現時点での一般の医療機関での診察には適用されないということです。

もうひとつは、資格証明書世帯の世帯主が、当該世帯に属する被保険者が医療を受ける必要が生じ、かつ、医療費の一時払いが困難と市町村に申し出た場合に、緊急的な対応として、短期被保険者証を交付しても差しつかえないということです。

真島 資格証明書で受診した場合、窓口でいったん全額自己負担しなければなりませんので、新型インフルエンザでは、薬代は別で、検査料を含め6000円を超える支払いが必要です。

全国保険医団体連合会が都道府県の国保連合会問い合わせて6月に発表した「2007年度の資格証明書交付された被保険者の受診率」をみると、本県の場合、正規の保険証の人が96回受診したときに資格証明書の人はようやく1回受診している割合です。深刻な受診抑制です。

新型インフルエンザ流行期に入り、県内市町村では、「国民健康保険制度の運営」についての9月25日の厚生労働省「通知」の方向でどのようにとりくんでいますか?

答弁(医療保険課長) 日ごろから資格証明書交付世帯に対して、特別な事情がある場合には相談にくるように伝えておりますが、さらに、今回のインフルエンザ感染拡大に備え、保険者の多くが、資格証明書世帯に対し、窓口での相談を呼びかける通知等を出しております。

真島 昨年末、「資格証明書発行世帯のうち、中学生以下の子どもがいる世帯には一律に6カ月の短期保険証を交付する」という国民健康保険法の改正がおこなわれました。

資格証明書交付世帯の中学生以下の子どもたちに短期保険証はどれだけ届いているでしょうか?県として、市町村の窓口まで取りにこない世帯には郵送するなどの助言はされていないのでしょうか?

答弁(医療保険課長) すべての市町村で短期被保険者証が交付されており、その数は3200人を超えており、ごく一部を除き、対象者には短期被保険者証が届いている状況です。

県は、該当する子どもの手元に短期被保険者証が確実に届くよう、郵送や持参などの手段も講ずるよう助言しております。

真島 昨年9月15日時点で、資格証明書交付世帯の中学生以下の子どもたちとあわせて、16歳~18歳の子どもの数も調査されていますが、その数は全県で何人ですか?

答弁(医療保険課長) 昨年9月15日時点で、県内合計で742人でございます。

真島 厚生労働省は、「新型インフルエンザワクチン接種の基本方針」で、「高校生相当」も優先接種の対象者としていますが、接種時期はいつごろになりますか?

答弁(保健衛生課長) 「高校生に相当する者」は、1月中旬から接種を開始することにしております。

真島 昨年末政府は、国保法改正案を提出した理由を、「子どもの心身ともに健やかな育成に資するため、保険証を交付する必要がある」と言いました。

16歳~18歳も「死亡者や重傷者の発生をできる限り減らすこと」を目的としたワクチン優先接種の対象であり、いそいで短期保険証を届けるべきです。

また、厚生労働省が9月25日に出した「通知」が、新型インフルエンザの本格的流行期を前に資格証明書交付世帯への緊急の短期保険証交付を指示している意味を重く受け止めるべきです。

この「通知」の後半部分では、都道府県に対して、「新型インフルエンザの大流行の前に、再度、すべての資格証明書交付世帯について、保険料を払えない特別の事情の把握を徹底するなど、医療の確保に遺憾なきよう適切な運用に努められたい」と要請しています。

以上の点から、受診をひかえることによる感染拡大と重症化を防ぐために、資格証明書交付世帯にインフルエンザ流行期だけでも緊急に短期保険証を交付・送付すること、とくに16歳~18歳の子どもたちには無条件に短期保険証を送付することを、県として市町村に助言すべきだと考えますが、いかがですか?

答弁(医療保険課長) 「特別な事情」の有無は、被保険者個々の事情にもとづいて、保険者が個別に判断すべきものです。

県としては、資格証明書の趣旨を十分に理解して、資格証明書交付世帯と接触をはかり、きめ細かな対応をおこなうよう、市町村に助言しております。

真島 「資格証明書交付世帯と接触を図り云々」とそんな悠長な助言でいいのでしょうか。

「接触しようと努力したが連絡もないから資格証明書を交付している」といつもおっしゃいっているではありませんか。だから、中学生以下の子どもの手元に短期保険証が確実に届くように、県として郵送や持参なども助言している訳です。

「毎日新聞」の4月の調査では、全国で14%もの市町村が、「子育て支援の観点」と児童福祉法の対象年齢が「18歳未満」であることを根拠として、資格証明書交付世帯の18歳未満の高校生世代にまで短期保険証を交付しています。

さらに、子どもたちに限らず、受診の遅れから新型インフルエンザで重症化するのを防ぐために、資格証明書交付世帯に短期保険証を緊急発行する自治体が相次いでいます。

東京都足立区では、資格証明書を交付している約1200世帯に6ヶ月間有効の短期保険証を9月中に送付しました。北海道小樽市では、資格証明書を交付している661世帯に、10月1日から3ヶ月有効の短期保険証を交付しています。

大流行期をむかえ、猶予のならない命にかかわる問題です。

すべての資格証明書世帯に「市町村の窓口に相談に来てください」と周知徹底するとともに、取りに来ない世帯には送付するよう県から市町村に助言していただくよう要望します。

これ以外にも感染拡大と重症化を防ぐうえで深刻な問題が2つあります。

ひとつは、正規の保険証も、短期保険証も、資格証明書のいずれも受け取っていない世帯です。県内の国保加入世帯で、何世帯ありますか?

答弁(医療保険課長) 本年10月15日現在、福岡市が集計をしておりませんが、県内合計で9737世帯となっております。これらは、郵送未着や窓口交付の証を被保険者が受け取りに来ないなどの事情によるものです。

真島 福岡市の数字が出れば、県内の国保加入世帯のうち1万をはるかに超える世帯に保険証も資格証明書も届いていないのです。

京都府の八幡市(やわたし)は、資格証明書をひとつも発行していませんが、こうした保険証が届いていない747世帯に、すでに5月25日に短期保険証を郵送しています。

もうひとつの大問題は、いずれの健康保険にも加入していない文字通りの「無保険者」の問題です。

私の地元の「ハローワーク八幡」の前で、昨年来、労働組合の方が毎月2回アンケート調査を続けています。

そのなかで、「健康保険証をお持ちでしょうか?」という問いがあるのですが、1206人の回答者のうち144人、実に12%の人が何の健康保険にも入っていないというのです。

労働者は、失業と同時に、保険料が全額自己負担となる「任意継続被保険者」になるか、同様に全額自己負担の市町村国保に切り替えなければなりません。

3月の国会で、全会一致で可決した雇用保険関連法案の付帯決議では、失業したさいに医療保険から抜け落ちる人を防ぐために、「保険料の軽減の適切な運用や(制度)の周知徹底」などがもりこまれました。

しかし実情は、市町村の自主的な保険料減免措置まかせで、ハローワークは自治体の相談窓口の紹介しかできていません。

こうした方々の命と健康をまもる手立てをとるうえで、県の果たす役割は決定的です。

県が市町村や関係機関によびかけて、政令市・中核市のハローワークで、自治体職員も配置して相談を受ける「実効性あるワンストップサービス」デーを実施することや、年末年始の相談窓口開庁なども検討する必要があるのではないでしょうか。

雇用・失業情勢がかつてなく悪化するなかでの新型インフルエンザの大流行期を迎える年末年始に向けて、県として国や市町村とも協力して実効ある「無保険者」対策を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか?

答弁(医療保険課長) 県は、テレビCMやホームページにより住民全体に対する周知をしております。

被用者保険の保険者に対しても離職される方への制度の周知をお願いしております。

市町村保険者に対しても、住民に対する制度周知の徹底や、失業等により保険料の支払いが困難な方へのきめ細かな対応を助言及び指導しております。

今後とも、このような対応に積極的につとめてまいりたいと考えております。

真島 資格証明書交付世帯が約2万3500世帯。

これとだぶりますが、1万世帯以上の国保加入者に保険証も資格証も届いていません。

これらに、いずれの健康保険にも加入していない人も加えれば、推計で5万人以上の県民が病院の窓口で全額自己負担しなければならない状態です。

こうした方々が、もし休日前に発症したら、休み明けに市町村の窓口に相談にいくまで保険証を手にすることができません。

雇用・経済情勢はかつてない悪化を続けており、県内には政令市を中心に1000人を超えるホームレスの人たちがいます。北九州市内の公園でも、派遣切りにあった20代、30代、家族ぐるみホームレスの人など、ここにきてその数が増えています。

貧困者への医療保障にとりくんでいる医師は、「貧困世帯ほど基礎疾患などの病気をかかえながら、日ごろは医療機関の受診を抑制している」、「ホームレスの人たちは免疫力が低下しており、配慮が必要」と言っています。

繰り返しますが、感染拡大と重症化を防ぐには、早期受診、早期診断、早期治療が肝心であり、事実上の「無保険」状態の県民の命をまもるために、県として一刻を争って手立てをつくしていただくことを強く要望し、質問を終わります。


災害被災者生活再建支援制度について (質問日10月29日)

(この項のみ、当局答弁が未達のため省略)

真島 日本共産党の真島省三です。

「災害被災者生活再建支援制度」について質問します。

はじめに、委員長、被災者生活再建支援制度についてまとめていただいたものを資料要求しておりますので、取り扱いをよろしくお願いします。

国土交通省は、市町村が水害の発生の都度、現地調査等を実施し、回収した調査結果を毎年集計し、「水害統計調査」をおこなっています。

それをみると2007年までの10年間の「都道府県別一般資産等被害額」で、本県は名目額で全国12位の953億円、2000年価格でみても全国11位の980億円です。

「一般資産等被害」とは、建物、家庭用品、事業所資産、農産物等に係る物的被害及び事業所営業停止損失等です。本県は「災害多発県」です。

① 国の被災者生活再建支援制度の適用がはじまった1999年以降の本県における支援金の支給世帯数を教えてください。

1999年以降、本県では大規模な自然災害が6回も起きていますが、国の支援制度の支援金支給状況は次のとおりです。

● 1999年の豪雨災害の全壊7、半壊6、床上浸水1273に対して、適用ゼロ。

● 同年の台風18号の全壊6、半壊125、床上浸水504に対して、適用は北九州市の12世帯のみ。

● 2003年の集中豪雨災害の全壊26、半壊56、一部損壊74、床上浸水3472に対して、適用は福岡市、飯塚市、太宰府市、志免町、穂波町の15世帯のみ。

● 2005年の福岡西方沖地震では全域適用されましたが、全壊143、半壊352、一部損壊9185に対して、支給世帯は238世帯のみ。

● 2006年の台風13号では全壊2、半壊1658、一部損壊120に対して、適用なし。

● そして、今回の「中国・九州北部豪雨」では、全壊11、半壊8、一部損壊70、床上浸水1368に対して、適用は飯塚市の5世帯にのみです。

1999年以降の本県における自然災害による統計上明らかになっている家屋被害に、今年7月の「中国・九州北部豪雨」の家屋被害を加えた数は、全壊213棟、半壊2312棟、一部損壊15402棟、床上浸水6898棟、床下浸水14822棟です。

大きくくくれば、床上浸水以上で24825棟、床下浸水も含めると39647棟という被災に対して、いまお答えいただいたように、国の支援金が支給されたのはわずか270世帯です。

浸水被害をはじめ住宅としての機能を第一に、居住者の立場にたった被害判定の基準とする問題もありますが、「市町村で10世帯以上の住宅全壊被害」などとする対象災害や「全壊」「大規模半壊」に限定された支援対象世帯などを見直すことも必要だと考えます。

② 現状の国の支援制度の適用要件や支給額等について、これまで本県としてどのような意見や提案をされていますか?

真島 内閣府が2009年2月に発表した支援金支給世帯に対する「被災世帯調査」をみても、支援金の支給限度額は被災者の住宅再建・生活再建にふさわしいものとは言えません。

住宅を「建設・購入」、「補修」をした世帯の半数が「2000万円以上」かかっていますが、国の支援金は「全壊」でも最高300万円と解体費用にさえ足りません。

被災前に比べ半数の世帯で年収が「減少」していますが、住宅再建以外で生活に必要な経費だけでも、「家電製品の購入、修理」が平均金額51万円、「冷暖房器具の購入、修理」が40万円、「家具の購入、修理」が33万円、「寝具の購入、修理」が20万円、「自然災害による負傷または疾病の医療費」が19万円も支出しています。

北九州市の紫川で床上浸水の被害にあった方に聞くと、畳替えや床や壁の全面的な改修、家財道具の買い替えで300万円もかかったそうです。

生活再建のめどがたたず、住み慣れた地を後にする方がいまでも後を絶たず、浸水被害のあった地域で、更地になったところがひとつ、ふたつと増えるのをみるたび胸が痛みます。

③ 国に対して、支援制度の適用要件や支給額等について被災者や被災地の実際に即した実効ある改善をもとめていくうえでも、県として県民の一般資産の被害額をはじめ、被災者の生活再建の実態を調査するべきだと思いますが、県の考えをお聞かせください。

真島 調査するつもりはないということですね。

一般資産の被害額の調査は、内閣府が市町村から集約していますし、被災世帯の調査も内閣府がおこなっているようなアンケート調査をおこなえばできることです。

調査さえしないのは、国に対して支援制度の拡充をもとめる県の姿勢と矛盾しています。

県民の被災と生活再建の実態をつかんでこそ、力強く制度拡充を国に迫ることができるのではないでしょうか。

調査さえしないのは、被災した県民の苦しみを見て見ぬふりをしているようなものです。

ぜひ、県として調査ぐらいしてください。要望しておきます。

④ おたずねします。都道府県で、自然災害全般に対する被災者生活支援のための独自の給付金制度をもっているところ、特定の災害に対する独自の制度をもっているところはそれぞれいくつありますか?

真島 わかりやすい資料をありがとうございます。

自然災害全般に対する被災者生活支援のための独自の給付金制度をもっているのは10県、特定の災害に対する独自の制度をもっているのは5県です。

あわせて15都道府県、3割をこえる都道府県が、被災者生活支援のための独自の給付金制度をつくっています。

九州では3県が自然災害全般に対す独自の給付金制度をもち、いずれも全壊、半壊だけではなく、床上浸水まで対象にしています。

資料をごらんいただいたらわかるように、「生活再建支援」、「住宅再建支援」というからには、多くのとろこが本県のような「見舞い金制度」とは支給額のケタが違います。

⑤ 全国知事会の「先進政策バンク」でも紹介されている大分県と鹿児島県の被災者支援制度について簡単にご紹介ください。

真島 大分県では、「県が支援額の2分の1以内を市町村に補助する」として、国の被災者生活支援法が支援対象としない「半壊」や「床上浸水」も対象としています。

「全壊」は最高300万円、「半壊」は最高130万円、「床上浸水」には5万円が支給されます。

鹿児島県は、「床上浸水以上の被害を受けた世帯や小規模事業者に対して、『支援金』を支給する制度」を創設しています。

「小規模事業者」まで対象にしているところがすぐれています。

県と市町村が2分の1ずつ負担して「基金」をつくり、支給限度額は1世帯・1事業者当たり20万円です。

2006年7月の鹿児島県北部豪雨災害では、国と鹿児島県の支援金を合わせると床上浸水以上の被害を受けた世帯は1917世帯のうち1696世帯、約88%の世帯と、小規模事業者237件に合計4740万円の支給がおこなわれています。

本県を襲った7月の豪雨災害は、昨年来の経済危機のもとで不況に苦しむ住民と地域に追い討ちをかけています。

⑥ 国の支援制度では不十分だと考えるのであれば、本県でも独自の支援制度をつくって7月の豪雨災害にさかのぼって支援すべきだと考えますが、考えをお聞かせください。

真島 独自の給付金制度を創設している都道府県のほとんどは、不十分な「国の支援法の制度を補完する」ことを目的にしています。

そこには、「国の支援制度の対象とならずに苦しんでいる多くの被災者を “見殺し”にはできない」、「住民生活と地域コミュニティを何としても復興しよう」という真剣な思いと熱意がにじみ出ています。

7月の「中国・九州北部豪雨」による床上浸水以上の家屋被害1457件に対して、鹿児島県と同じ被災者支援制度を適用し、限度額いっぱいの20万円を88%の世帯に支給したとすると合計約2億 5643万円です。

鹿児島県は、2006年7月の豪雨災害をうけて、県と市町村が2分の1づつ負担して、「被災者生活支援基金」を設置し、2006年度に4億円を造成しています。

本県でも、実現可能な「基金」の規模ではないでしょうか。

また、今回の災害に対して、1億円をこえる義援金が寄せられていると聞きました。

「基金」の造成は、県民の支持を得られるのではないでしょうか。

⑦ 部長にお聞きします。本県は災害多発県であり、担当部局として、せめて県独自の被災者生活再建支援制度について研究ぐらいはしてほしいと思いますが、いかがですか?

真島 政府もかつては、「住宅などの個人資産の保全は自己責任であり、税金による支援はできない」というかたくなな姿勢でした。

しかし、1995年の阪神大震災で自宅を再建できない被災者や、住み慣れた街から離れざるを得ない人が多くでたことから、世論に押されて1998年に議員立法で支援法が制定されました。

その後2007年に住宅本体の改築・修繕も支援金の支給対象になり、年齢や年収要件も撤廃されるなどの改正がおこなわれました。

また都道府県独自の復興基金や県独自の生活再建支援金制度の創設は、雲仙岳災害対策基金、阪神・淡路大震災復興基金に始まり、新潟、石川、そして九州各県にも広がる大きな流れとなっています。

「福岡県地域防災計画」では、「災害復旧・災害復興計画」の3つの基本方針の第一に、「被災者が安心して日常生活を送れるよう、生活の早期安定のためのきめ細かな支援をおこなう」ことをかかげています。各県のとりくみに学び、県独自の災害被災者生活再建支援制度についてぜひ研究、検討していただきたい。再度要望して質問を終わります。


紫川の治水対策について (質問日10月30日)

真島 日本共産党の真島省三です。

紫川の治水対策について質問します。

7月の豪雨で浸水被害にあった住民は、「川から水が溢れ、30分ほどで胸までつかった」、「避難勧告が出たが、胸まで冠水するという危険な状態だった」とおっしゃいました。

 5歳のお子さんが、あの日以来、「明日は雨が降るの?」と毎日おびえているという話を聞いて胸が痛みました。

紫川と東谷川の今回の浸水被害がおきた箇所の主な原因は何でしょうか?

また、堤防がないこと、川底に大量の土砂が堆積していること、そこに柳が森のようにうっそうと茂っていたことが、今回の浸水被害の原因のひとつになっていないのでしょうか?

答弁(河川課長) 紫川や東谷川の流下能力については、固定堰による影響が最も大きく、河川内の立木や土砂の堆積による影響は小さいものと考えています。

真島 そのような中で、今回の浸水被害の原因は、7月24日から26日にかけて、流域内の頂吉観測所で1時間雨量75ミリ、総雨量471ミリを記録した豪雨であると考えています。

「固定堰による影響が最も大きい」ということは理屈として理解できますが、浸水被害にあったみなさんは、川の中を指差して「それだけが原因ではない」と口々に訴えられます。

私も、4月に住民といっしょに県土整備事務所に、柳の伐採と土砂の浚渫を要望しました。

ちょっと見づらいかもしれませんが、ここに写真があります。

今回の豪雨の前まで、こんな状態だったんです。

これは東公園ではありませんよ、紫川です。みなさん川にみえますか?

被害箇所には、今年度中に「原形復旧」の工事がおこなわれると聞きました。

現在この柳の伐採がおこなわれ、今回溢水した堤防がないところに「応急土嚢」が延々と設置されています。

ここに写真がありますが、こんな状態なんです。土嚢をこれだけ設置するということは、堤防をつくっているのと同じではないでしょうか?なぜ堤防をつくらないのですか?

答弁(河川課長) 現在設置している応急土嚢につきましては、暫定的なものであり、水位上昇に伴う溢水対策のための仮設構造物であります。

河川改修は多大な時間と費用を要しますが、流下能力における上下流バランスを考慮して下流より改修をすすめており、現在、桑原井堰と十二井堰の統廃合の整備をおこなっております。

真島 この「桑原井堰と十二井堰の統廃合の整備が完了するまでの暫定的な応急土嚢」というお答えでした。

県土整備事務所で聞いたら、「桑原井堰と十二井堰の統廃合の整備は来年度中には終わる見込み」とおっしゃいました。それならば、来年度いっぱいで応急土嚢を撤去しても、今回と同程度の豪雨でもこの地域は溢水しないと考えているということですね。

そこでお聞きします。その井堰整備を含む、貴船橋から桜橋の間の「紫川広域河川改修事業」の事業内容と工期、総事業費、進捗状況を教えてください。

答弁(河川課長) 主な事業内容は、河川の拡幅、河川掘削、堰や橋梁の改築であります。

現時点では、治水安全度を早期に発揮するため、10年に1度の雨に対応できる段階的な整備をおこなっており、その段階的整備における工期は、平成25年度完成を目標としております。

また、その段階的整備にかかわる事業費は約120億円で、平成20年度末までの進捗状況は、事業費ベースで約86%であります。

真島 なんと1969年から40年もおこなわれている事業です。

現在「10年に1度の雨に対応できる整備を、貴船橋から桜橋の区間であと4年で完成するのが目標」とおっしゃいました。44年間もかかって「10年に1度の雨に対応できる整備」が終わっても、今回の豪雨は「100年に1度」の記録的豪雨ですから、今回のような豪雨が来たら浸水被害は防げませんよね。今のお答えだと、この応急土嚢は、溢水を防ぐために、少なくともあと4年以上撤去できないことになります。

「紫川広域河川改修事業」は、貴船橋から桜橋の区間で「100年に1度の豪雨に耐えられる河川整備」をすることが目標ですよね。

「10年に1度の雨に対応できる整備」が40年以上もかかってようやく完了しますが、この事業全体が完了するまでどのくらいかかるのか気が遠くなります。

さて、全国知事会の「先進政策バンク」で、石川県の「河川のピンポイント改良」という県単事業が紹介されています。

内容は、「河川改良事業は、下流から改修を進めるため、中・上流部については、本格的な改修に着手し、治水効果が出るまでに長期間を要する」ため、「中・上流部の未改修区間において、局所的に断面不足となって浸水被害を発生させている箇所」について、「暫定対策として、上下流のバランスを考慮しながら必要最小限の範囲で河川を拡幅する」。また、「掘削した土砂を引堤の築造や堤防の強化盛土として活用し、事業コスト縮減をはかり、浸水被害を防止する」というものです。

本県でも、数十年もかかる「広域河川改修事業」をすすめながらも、未改修区間で浸水被害を発生させている箇所について、このように必要最小限の範囲での暫定対策をおこなうということは考えていないのですか?

答弁(河川課長) 現在、段階的な改修をおこなっており、治水安全度を早期に発揮するため堰の改築をおこなっております。その後、更なる治水安全度をめざし、下流から順次整備をおこなってまいりたいと考えております。

真島 「現在おこなっている中長期的な事業をすすめる」としかお答えにならなかったので、「県として暫定対策は考えない」ということですね。

大きな改修事業がひとつひとつのステップを踏まねばならないという意味はよくわかりますが、問題はテンポです。

私がおたずねしたのは、「広域河川改修事業」が完了すまでに相当な期間がかかるわけですが、その間に、繰り返し浸水被害が出ている箇所について、石川県のように「暫定対策」をおこなわないのかということです。

紫川に限らず、県管理河川の周辺住民から、「要望してもなかなか草刈りをしてくれない」、「川底の土砂の浚渫をしてくれない」という声が私たちのところに寄せられています。

それもそのはず、河川改良費のなかで、河川の浚渫、樹木の伐採、草刈りなどの維持管理のための県単独事業費は、決算ベースでみても10年前と比べて「半減」しております。

なぜ、河川の維持管理費をこんなに減らしているのですか?

答弁(河川課長) 委員がご指摘のように県単独事業費は減少傾向にありますが、このうち浚渫や草刈などに必要な事業費については、多少の減少はあるものの、事業費の確保につとめているところです。

また、地域住民による河川の除草・清掃などのボランティア活動を県は推進しており、現在では10年前の2倍の河川愛護団体の方々に河川の維持管理に貢献をしていただいており、より効率的な維持管理につとめてまいりたいと考えております。

真島 「ボランティアに協力してもらっている」とおっしゃいましたが、ボランティアは浚渫はできませんよね。

河川改良費のうち、補助事業費や直轄事業負担金はこの10年間ほぼ横ばいなのに、河川の維持管理費だけが「半分」に減っています。

決して、河川の浚渫、樹木の伐採、草刈りなどの維持管理費が半分しか必要なくなったからではないしょう。

みなさまは河川行政のプロですから、よくわかっているはずです。

「事業費の確保に努めている」とおっしゃいましたが、1998年度決算で88億円だった維持管理費が、2008年度決算では46億円になっているんです。

結局、「県単独事業費を毎年5%カット」するという県の行政改革の方針が、維持管理費の必要性など関係なく、10年間貫徹された結果ですよ。

続いて、「ます渕ダム」と河川改修の関係をおたずねします。

ダムが想定の範囲内では、治水機能を発揮していることは理解できます。

しかし、7月24日の集中豪雨で「ます渕ダム」は、ダムがあふれる事態を回避するための「ただし書き操作」の決済まで至りました。

幸いにも、その後雨量が減って、最悪の事態にはいたりませんでした。

しかし、今回のような想定外の短時間豪雨で、ダムの洪水調整機能が数時間で限界近くにまでいたったという事実を見過ごすことはできません。

「ます渕ダム」の設計放流量は毎秒100トンですが、河川改修がすすんでいないために毎秒40トンしか放流できないと聞きましたが、「紫川広域河川改修事業」が完成すれば設計流量を流すことができるのでしょうか?

答弁(河川課長) ます渕ダムは、紫川下流の現状を考慮し、ダムからのほう流量を抑えた暫定運用をおこなっていますが、暫定運用から本運用へと切り替えるには、上流域も含めた流下能力の検証が必要であると考えます。

真島 河川改修がすすまないと「ます渕ダム」の治水機能が存分に発揮できないということです。

さきほど答弁されたように、「貴船橋から桜橋の区間で10年に1度の雨に対応できる整備」に40年以上もかかっているんです。

「設計放流量毎秒100トンに耐えられる河川改修」がダムの直下まで完了するのはいつのことやらわかりません。

「ます渕ダム」はできてからもう36年もたっていますが、その洪水調整機能を100%発揮する前にダムの寿命がつきるのではないでしょうか。

さて、お聞きしたところによると、那珂川上流の「南畑ダム」では26日の集中豪雨のあと、次の降雨に備えて県内ではじめての「事前放流」をおこなったそうですが、その内容を簡潔に説明してください。

答弁(河川課長) 7月24~26日の後、29日に大雨予測があり、利水者の理解を得て、約50万立方メートルの確保を目標に28日の昼ごろから放流を開始し、通常の治水容量より治水容量を確保することで大雨に備えました。

真島 「ます渕ダム」について、北九州市が「降雨時における柔軟な運用」を県に要望したと聞きますが、これはどういう内容でしょうか?「事前放流」のことでしょうか?

答弁(河川課長) 「柔軟な運用」は南畑ダムで実施した「事前放流」と同様なものと認識しております。

現在、その運用について北九州市と協議をはじめているところです。

真島 「ます渕ダム」の洪水調整機能を高める実効ある対策として、ぜひ北九州市との協議を前向きにすすめていただくよう要望いたします。

最後に要望します。紫川水系は、現在「河川整備方針」を国と協議中と聞きました。

本県の「河川整備方針」や「河川整備計画」の策定過程は、聞けば聞くほどよくわかりません。

「河川整備計画」策定過程での「住民参加」はどうしているのかと聞いても、住民説明会で「意見を聞きおく」だけということで、法改正の趣旨を積極的に活かしていると思えません。

新しい河川法は、「河川行政のあり方」をめぐる社会の変化を踏まえ、「河川整備計画」策定に住民の意見を反映させる手続きを新たに導入しました。

全国各地の国管理河川、県管理河川で、「流域協議会」を常設機関として設置し、学識経験者に流域住民の代表などを加え、住民合意のもとに「河川整備方針」、「河川整備計画」を策定するとともに、住民参加の河川管理をおこなうとりくみが広がっています。

国の管理河川で、東京都と神奈川県を流れる「鶴見川」の例をみると、2004年に関東地方整備局と流域自治体で「鶴見川流域水協議会」をつくり、全国初の試みとして「鶴見川流域水マスタープラン」を策定し、「河川整備基本方針を2004年度中につくる」、「河川整備計画を2005年度に策定する」と明言するなど、河川整備の進め方が実に明快です。

「新しい河川法」の趣旨を生かした全国のとりくみに学び、住民参加の河川行政をすすめていただくことを強く要望し、質問を終わります。


少人数学級の推進と教職員の待遇改善について (質問日11月2日)

真島 日本共産党の真島省三です。

少人数学級の実現について質問します。

はじめに、委員長、少人数学級にかかわることをまとめていただいたものを資料要求しておりますので、取り扱いをよろしくお願いします。少人数学級の実現は、県民の切実な願いです。

本県でも、定数の弾力的運用や市町村独自の教員採用で、少人数学級を実施する自治体が増えています。現在、どれだけの市町村で少人数学級が実施されていますか。

また、市町村独自に常勤講師や非常勤講師を雇用している自治体数とその人数を明らかにしてください。

答弁 現在66市町村のうち、47市町村(71%)で研究指定方式、定数の弾力的運用、市町村独自の教員採用による少人数学級編制を行っておるところでございます。

また、常勤講師を採用している自治体は、8市町で29校、49人でございます。

市町村費任用の非常勤講師数は、34市町村で、小学校452人、中学校226人でございます。

真島 少人数学級編制を取り入れている自治体が、47市町村、実に7割以上に上っているということは、それだけ切実な願いであるということの裏返しです。

また、市町村が苦しい財政の中で、常勤講師や非常勤講師を700人以上も採用しているということは、いかに教員が不足しているかということをあらわしていると思います。

本来、教員の採用については、県が責任を持つべきであり、こうした実態を踏まえ、県独自の教員採用に踏み切るべきです。

そこで、2点にわたっておたずねします。 

まず、市町村負担の常勤講師や非常勤講師の勤務条件についてです。県は、市町村採用教員の勤務条件について把握していますか。劣悪な条件の中で働いている実態があります。

そこで、県採用の常勤講師、非常勤講師の勤務時間・勤務期間と、非常勤の概念について簡潔にお答えください。

答弁 市町村採用教員の勤務条件については把握しておりません。

ただし、県の条件にできるだけ近づけるよう指導しております。

県の常勤講師は、正規教員に同様 期間は通年でございます。

また、県の非常勤講師の勤務時間は、週30時間以内としております。 

非常勤講師の概念につきましては、人事院規則を参考としております。

真島 市町村採用の教員の勤務条件を、全体としては把握していないとおっしゃいましたが、無責任ではないでしょうか。

今、説明がありましたように、県は、人事院規則を参考とし、非常勤は週30時間までで、30時間以上は常勤として雇用しています。

ところが、市町村採用の教員の場合、そうした区別をしていない例が見られます。

たとえば、北九州市の「市費講師配置事業」における勤務条件書をみますと、「勤務時間は午前8時30分から午後5時まで、週の勤務日数は、5日」です。

毎日フルで勤務しており、県雇用の常勤講師と変わりません。 

ところが、1年雇用が原則の県常勤講師とは異なり、夏休みで一旦雇用が切れるのです。

そのため1ヶ月は国民健康保険を自己負担しなければなりません。

補助的な仕事として非常勤の位置づけで、雇用されていますが、県費講師と同等のTTなどの仕事を任されています。

ところが、月給は20万円程度で県費常勤講師の半分程度と劣悪な条件です。

同じ教員で、専門職なのに、これほど待遇に差があるということは、驚きです。

人事院規則を準用した県の雇用形態を周知し、市町村雇用の非常勤講師の待遇改善を図るべきだと考えます。せめて、30時間を超える講師採用は常勤で1年間を原則とするよう市町村に働きかけていただきたい。強く要望しておきます。

あわせて、増加している県の非常勤講師についても、低賃金で働いており、改善の要求があります。福岡県の非常勤講師の時給はいくらですか。この時給は、どのように算定されていますか。

答弁 県の公立小中学校の非常勤講師の時給は2380円で、昭和56年度の交付税単価を基準とし、毎年の教育食給与表の改定率を参考に算定したものです。

真島 教員に占める正規教員の割合は減り、逆に非常勤講師が増えています。

講師に頼った行政になっているわけで、当面、講師の待遇改善は重要な課題です。

福岡県の時給は、九州各県の中でも、最低レベルです。

佐賀県2790円、長崎県2800円、熊本県2820円と比較しても、大変低い水準です。

どうしてこんなに差があるのか、物価の高い福岡でもう少し、単価をあげるのは当然ではないかと思います。市町村の範を示す意味でも、時給引き上げを検討すべきではありませんか。

答弁 時給単価の改定については、正規職員と均衡を図ることが適当であると考えています。

そのため、今後も教育職給与表の改定率を参考にしながら、算定していきたいと考えております。

真島 全くやる気のない答弁ですが、これだけ他県と差があるということは、問題だと思います。

検討を要望しておきます。

もう一点は、学校現場の多忙化が教員の健康破壊につながり、深刻な実態を引き起こしているという問題です。

病気休職者の推移について資料を提出いただきました。簡単な説明と、このような実態について、県教委としてどのように受け止めておられるか、おたずねします。

答弁 平成20年度と10年前の平成11年度を比較すると、各校種合計で、新規求職者63増、うち精神疾患53増となっています。

校種別に見ると、小中学校において増加傾向にあり、主な原因は精神疾患者の増加です。

真島 新規病気休職者が毎年200人にも上るということは、本当に深刻だと思います。

特に精神疾患が増えていますが、その原因はどのように考えていますか。

また、県としての対策はどうなっていますか。

答弁 精神疾患の原因は個人情報にかかることもあり特定はむずかしいところですが、生徒の問題、保護者の問題あるいは家族の問題など、いろいろなことが要因になっていると思われ、増加している状況は、現在の学校を取り巻く状況が厳しくなっていることをあらわしているのではないかと考えます。複数の相談窓口を設置し、精神科医や臨床心理士、教育経験者により、教職員の相談に応じております。中堅教員及び管理職を対象としたストレスマネジメント研修を実施し、メンタルヘルス対策に努めております。

真島 そうした対策をとられているのに、精神疾患は減っていませんね。

抜本的には、教師を増やす以外にないと思います。

学校現場から話を伺いましたが、病気休暇が本当に増えている、教師が足りないままで走っている学校がいくつもあるというんです。

「クラスを見る人がいないと思ったら、絶対に休めない。点滴を打ってでも学校に行く。倒れるまでがんばるしかない」こんな悲痛な声を聞きました。そんなことをしていたら、次の病休者が出てしまうのは当然です。長期病気休暇で代替教員が必要なのに、配置されなかったという例があるのですか。その数を明らかにしてください。

また、病気休暇の代替講師は、非常勤だと思いますが、休んだ先生が受け持っていた授業の全てを受けもつわけではないと聞いています。

代替の時間数は、どのように決めているのですか。

答弁 平成20年における2週間以上の病気休暇者に対する代替教員配置状況は、小学校で病気休暇者480に対して未配置が43、中学校で病気休暇者246に対して未配置11、私立特別支援学校で病気休暇者63に対して未配置5でございます。

代替教員の未配置は、夏季休業中の病気である場合や代替教員が見つからない等の理由で生じたものです。

代替教員の時間数は、病気休暇者のもち時間数を基準としていますが、他の教員の協力でかのうな範囲は、学校内での努力もお願いしています。

真島 今の説明ですと、2週間以内の場合は代替教員が来ない、2週間以上休んだ場合でも代替教員が配置されないこともある、配置される場合も持ち時間数がすべてカバーされているわけはないということですね。

これでは、病休者がいれば、多大な負担が残った全教職員にかかってくることになり、病休が病休を呼ぶという悪循環です。

昨年ある学校では、5月にひとり、6月にひとり、7月にひとり、病気休暇に入り、1学期には全く代替講師は来なかったといっていました。

現場教師と父母の願いが、30人学級の署名となって毎年県議会に出されています。

せめて、1クラスの人数をへらして、1人1人に向き合えるようにしてほしい、これが本当に切実な願いであるわけです。

病休者を減らすためにも、市町村の願いに応えるためにも、県の責任で少人数学級を実施するなどの独自施策をこの際行うべきではありませんか。

30人学級を全学年で実施するのに必要な教員数、35人学級の場合の必要教員数を明らかにしてください。

また、小学校1年生だけ30人学級、35人学級にするために必要な教員は何人ですか。

答弁 本県の少人数学級の取り組みは、国の標準法にもとづき、1学級40人を基本としつつ、市町村の主体的な判断により、研究指定方式や配当された定数の活用、市町村独自に教員を任用することにより実施しています。

少人数学級を実施するために必要な教員数は、本年5月1日現在で算定すると、全学年で30人学級を実施した場合、小学校で2533人、中学校で1676人、合計4209人でございます。

また、全学年で35人学級を実施した場合、小学校で1079人、中学校で709人、合計1788人でございます。

小学校1年生だけで30人学級を実施した場合、414人、小学校1年生だけで35人学級を実施した場合は177人でございます。

真島 1年生だけ、35人以下にするのに必要な教員は、177人ということです。

177人を採用するのに必要な予算は、正規であれば15億円程度、常勤講師であれば約7億円です。

私は、市町村による少人数学級への努力が大きく広がっている中で、県が独自予算をつけることが強く望まれていると思います。

県が独自に教員採用を行うことについての見解を、教育長におたずねします。

また、学級編制基準の改善について国に要望等を行っているか、あわせておたずねします。

答弁 本県における少人数学級については、市町村の主体的な判断により、現有定数を効果的に活用することなどによってとりくんできたところであります。

今後も、現行の施策を基本として、市町村の意見もふまえながら、弾力的な学級編制が行えるよう、効果的な教員配置に務めてまいりたいと考えております。

また、全国都道府県教育長・教育委員長協議会を通じまして、学級編制の基準の改善を含む次期教職員定数の改善計画の策定を要望いたしておるところでございます。

真島 全国都道府県教育長・教育委員長協議会を通じて、学級編制の基準の改善、すなわち少人数学級を含む定数改善計画の策定を要望しているというお答えでした。

確かに、教育長・教育委員長協議会の要望書には、今年初めて「少人数学級」という言葉も盛り込まれておりました。

教育長の先の答弁により、本県でも、少人数学級を積極的に推進する立場であるということを確認し、これを歓迎します。

今、子どもの貧困が社会問題化する中、一人ひとりに向き合える行き届いた教育環境の実現は待ったなしの課題です。

子どもの無保険が昨年大問題となり、国は子どもの保険証発行という制度改正を行いましたが、その発端となったのは、「私は保険がないから病院に行けない」と子どもが先生につぶやいたことでした。

視力が0.06でもめがねを買ってもらえない子どもがいる、眼科に行くよう渡した通知をお母さんが悩むからと学校で破ってしまう子どもがいる、そんな報告もききました。

学力以前の深刻な問題を抱え、さまざまなつらさを背負いながら学校に通ってくる子どもたちを受け止め、あたたかい居場所をつくる仕事は、並大抵ではないと思います。

多くの先生がたが、体当たりの奮闘をし、そんな中で、病気に倒れている現実に胸が痛みます。

少人数学級は、厳しい学校現場の最低限の要求だと私は思います。

県が推進の立場に立つのであれば、多くの県で行っているように、県独自の予算をつけるべきときではないでしょうか。

それが、市町村の期待に応えることであり、国に対して、迫力を持って要望する道でもあると考えます。

繰り返しになりますが、これ以上病休者を増やさないためにも、また、不安定で劣悪な講師採用を広げないためにも、正規教員を増やしていく県のイニシャチブが求められます。

少人数学級のための県の独自予算措置を再度強く求め、質問を終わります。


総括質疑 雇用を守る緊急対策について (質問日11月4日)

真島 日本共産党の真島省三です。

「雇用を守る緊急対策」について質問します。

本県の9月の有効求人倍率は0.39倍、正社員の有効求人倍率にいたっては0.24倍と過去最悪の水準で推移しています。

福岡労働局は、求職者が13ヶ月連続で増える一方、「雇用の先行指標」である新規求人数は大幅に減り続けているため、本県の雇用失業情勢を「今後もさらなる悪化が懸念される」とみています。

いま、90日の失業給付が切れたり、雇用保険に入っていないために、北九州市でも、派遣切りにあった20代、30代、家族ぐるみでホームレスになってしまう県民が相次いで、県内には政令市を中心に依然1000人を超えるホームレスの人たちがいます。

政府の対策は従来の延長線上のもので、これでは昨年末を上回る深刻な事態になりかねません。

はじめに、本県の雇用対策事業の成果と課題を明らかにし、より実効性のあるものに改善することをもとめて質問します。

本県では、国の「緊急雇用創出事業臨時特例交付金」、「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用して約4300人の新規直接雇用をすすめていますが、全体の事業費、雇用予定者数と現時点での雇用数について教えてください。

答弁(労働政策課長) 県事業の直接雇用の実績は、20年度2月補正、21年度6月補正、9月補正で、両基金事業を合わせて、事業費は約73億400万円余、雇用予定者数は4382人となっており、雇用者数は9月30日現在3492人となっております。

真島 いくつかの事業について、担当部局にお聞きします。

まず、「農業人材確保支援事業」の実施状況について、雇用実績と、事業終了後の雇用の継続に向けたとりくみと見通しを、簡潔にお答え願います。

あわせて、近年の新規就農者数も教えてください。

答弁(後継人材育成室長)

雇用実績につきましては362名となっております。

雇用の継続に向けた取り組みにつきましては、雇用主である農業法人等に対し、雇用型経営への転換に向けた経営相談などをおこなっております。

今後の見通しですが、雇用主におこなったアンケート結果によりますと、「事業終了後も自費で継続を雇用する」という方が約2割、「雇用条件を話し合って継続する」という方が約4割となっております。

近年の新規就農者数は(年間)150人前後で推移しておりますが、平成20年度は168人が就農したところです。

真島 次に、504人ともっとも多くの雇用を予定している「看護補助者確保支援事業」について、雇用実績と、派遣終了後の雇用に向けたとりくみと見通しについて、簡潔にお答え願います。

答弁(医療指導課長)

直近の状況で、295人の雇用を創出しています。

また、6ヶ月の雇用期間満了後、正規雇用された者は現時点で16人となっていますが、順次増加するものとみております。

今後とも、関係団体等の協力を得ながら求人開拓や求職者の募集につとめ、目標としている雇用の確保にとりくんでまいります。

真島 もうひとつ、402名の雇用を予定している「福祉・介護人材育成就業促進事業」について、雇用実績と、派遣終了後の雇用に向けたとりくみと見通しについて、簡潔にお答え願います。

答弁(福祉総務課長)

直近の状況で381名の雇用を創出しています。

また、6ヶ月の派遣期間満了後、正規雇用された者は現時点で30名となっていますが、順次増加してまいります。

今後とも目標としている雇用を確保するため、積極的にとりくんでまいります。

真島 「看護」や「福祉・介護人材」などの事業で、民間の派遣会社に委託している「紹介予定派遣」というやり方は、派遣として働かせたのちに企業が労働者を「直接雇用することを前提」にしていますが、そこでいう「直接雇用」に法的拘束力はなく、派遣先の一方的な都合で解消できます。

人材不足分野として県も力をいれている農業、医療、介護のいまお聞きした3つの事業だけで、雇用創出事業の3割の雇用を予定していますが、「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用したこのような事業で、継続的な直接雇用に結びつける保障はあるのですか?

答弁(労働政策課長) 「ふるさと雇用基金事業」については、継続雇用を前提として事業構築を図っているところであります。

また、委託事業終了後に引き続き正規社員として受け入れた事業主に対する一時金を支給する奨励制度もあり、このような制度も活用して継続雇用に結びつけてまいりたいと考えております。

真島 民間の派遣会社や外郭団体に委託した事業で働く方々から私のところに、「雇用保険に入れてもらえない」、「大半が契約以外の仕事をさせられる」、「昼休みもまともにとれず、残業もさせられる」、「有給休暇がとらせてもらえない」など、雇用条件が約束と違うなどの「派遣先での契約違反」の訴えが相次いでいます。

そのつど担当部局に伝え、委託事業者を通じて派遣先企業に改善を指導していただきましたが、心配なのは派遣終了後に「直接雇用」をしてほしいために、いろいろな「契約違反」を我慢している人がたくさんいるのではないかということです。

もうひとつ紹介します。

「看護補助者確保支援事業」の一部は、北九州市の安川電機が100%出資した派遣会社に委託されています。

6月に、安川電機のグループ企業の安川マニファクチャリングが、フルタイムのパート労働者の雇い止めをおこなおうとしたさい、私は同社に出向いて雇用の維持を求めました。

そのさいお会いした取締役の方は、「『雇用情勢は厳しいが、県の事業をとっているので当面の仕事は紹介しますよ』と言って退職をすすめている」とおっしゃいました。

基金を活用した雇用創出事業を委託された派遣会社のグループ企業が、それを退職「勧奨」の材料につかう、こんなことがあっていいのでしょうか。

あたりまえのことですが、県の責任で、委託事業者と派遣先の企業に、「雇用創出事業」の主旨と契約内容の遵守をしっかりと徹底していただくよう要望します。

これらに対して、「農業人材確保支援事業」では、先ほどお答えいただいたように、雇用する側も、される側も非常に真剣にとりくんで、近年の新規就農者数をこえる実績をあげつつあります。

「県としてはじめて、求人を希望する農業法人等への就職をあっせんする合同面談会を、県下6会場でおこなう」など、県が雇用先の法人と直接向き合い、マッチングまでお世話をしており、県のかかわり方が違います。

すべての雇用創出事業について、雇用者、雇用されている方々へのアンケート調査などもおこない、成果と課題を真摯につかんで、事業終了後の雇用の継続、正規雇用に結びつくよう、県として責任をもった手立てをつくしていただくよう要望いたします。

次に、今後の県の施策を通じて、雇用を生み出すとりくみについて、3つおたずねし、要望します。

本県では、今年度策定した「第5次保健福祉計画」では2011年度までに特別養護老人ホームを1251床整備する計画ですが、その整備のための必要経費と雇用創出効果について教えてください。

答弁(高齢者支援課長)

「第5次保健福祉計画」では21年度から23年度までに、広域型、地域密着型をあわせ特別養護老人ホームを1251床整備することとしております。

その内訳は、県が整備するものが180床、政令市が整備するものが558床、市町村が整備する地域密着型が513床であります。

整備のための必要経費についてですが、本県が整備する180床については本年6月の補正予算で1億8900万円を措置しております。

また、市町村が整備をおこなう地域密着型の特別養護老人ホームにつきましては、6月補正で造成した「介護基盤緊急整備基金」のうち17億9550万円を活用することとしております。

雇用創出の効果については、施設の人員に関する配置基準が定められており、この基準で算定すると、1251床で500人強の雇用創出効果があると見込んでいます。

真島 言うまでもなく、医療、介護分野での雇用創出の費用対効果は群を抜いています。

特養の整備計画のさらなる拡大とともに、療養病床削減計画の撤回をもとめます。

次に、「福岡県企業立地促進交付金」について、2005年度から2008年度までの4年間に交付した額と交付対象となった常用雇用された県民の人数を教えてください。

答弁(企業立地課長)

2005年度から4年間の交付総額は61億6215万5000円であります。

そのうち県民の常用雇用に対する交付額は10億4180万6000円で、人数は3536人であります。

真島 2008年度までの4年間に交付した約62億円のうち約23億円がトヨタなどの自動車関連の大企業に交付されていますが、この間県内の首切り競争の先頭に立ってきたのがこの産業分野です。

制度そのものを、産業集積を主な目的にしたものから、京都府のような「雇用の安定・創出と地域経済の活性化を図るための助成金制度」に改善することを要望します。

もうひとつ、私が6月議会で提案・質問した中小企業の仕事おこしのための「リフォーム助成制度などの民需拡大策」です。

その後、筑後市が「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用して、県内ではじめての「住宅改修補助金制度」を創設、実施してたいへん注目されています。

その内容は、市内の施行業者が住宅を改修するさいに、工事費が10万円以上300万円以下の工事に対して、100分の10を補助するというものです。

筑後市の「住宅改修補助金制度」は好評で、2ヶ月余りで75件の応募があり、予算枠500万円をこえ、補助対象となった工事費の総額は約6400万円に及びます。

私が指摘していたように、10数倍の費用対効果が出ています。

そこで、建築都市部長に要望させていただきます。

どの市町村も限られた財政のなかでの、中小企業の仕事おこし策を必死で模索しています。

筑後市の実績を全県の市町村に紹介するとともに、県としてのリフォーム助成制度の実施のための研究、検討を真剣にすすめていただくよう要望します。

次に、高校新卒者の就職支援のための実効性のある対策をもとめて質問します。

福岡労働局が先日発表した2010年3月の高校新卒者の就職内定状況は、求人数が前年同月より42.3%減り、昨年よりはるかに深刻な、過去最悪に近い状況です。

私、昨年に続いて10月19日に、北九州市内の県立の商業高校、工業高校をたずねて、校長先生や就職担当の先生のお話しを聞いてきました。

昨年の同じ時期はまだ余裕があった工業高校でも今年は3割の生徒の就職が内定しておらず、商業高校は昨年よりもいっそう深刻でした。

本県のすべての高校生が、社会人としての第一歩を正社員として踏み出せるように、県としてどのような対策をとろうとしておられるのかを、県立高校について教えてください。

答弁(高校教育課長)

これまで、学校をあげての求人開拓や、66校に配置している就職指導員の効果的活用、経済団体への求人確保のための要請など、新規求人獲得にとりくんでいるところです。

今後とも、状況を見極めながら、関係機関とも連携し、雇用機会の確保に向けて全力を挙げてとりくんでまいります。

真島 現場の先生方は、この厳しい雇用経済情勢と必死でたたかっています。

県をあげて、いそいで実効性のあるあらゆる手だてを打たなければなりません。

県として、増産に転じている大企業に対して高校新卒者の採用枠の拡大をただちにもとめることや、高校新卒者を採用する中小企業に対して3年程度の助成金を創設することを要望します。

そして、共通して、もっとも要望が強かったのは、来年度以降も現在各校に配置している就職指導員の継続的な配置を可能にしてほしいということでした。

現場の先生方は、雇用情勢が厳しいからこそ、企業に採用してもらうために生徒たちをよりスキルアップさせようと、授業や指導にも全力をそそぎながら、その合間をぬって就職先の開拓にも奔走しています。

各学校が面接して採用した就職指導員のみなさんは、企業にどんどん飛び込んで新しい求人を開拓するためにがんばっておりますが、その成果が実るのが1年後、2年後になるというのです。

今後も雇用情勢の悪化が見込まれるなか、「1年ごとに別の指導員を採用しなければならないのでは、継続性、専門性が存分に発揮できない」と、現場では継続した雇用が切望されています。

他の緊急雇用事業と違うのは、就職指導員は本人が緊急雇用の対象であるだけでなく、指導員としての仕事そのものが「高校新卒者の就職支援」という本県の大事な雇用対策を担っているのです。

そして、たいへんな成果をあげて喜ばれています。

県から国に対して、就職指導員の継続的な配置ができる事業にすることを強くもとめていただくとともに、県独自の事業として継続することも検討していただきたいと思います。

最後に、「緊急雇用対策本部」の活動について質問します。

「緊急雇用対策本部」の会議はこれまで何回開いて、最後に開いたのはいつですか?

答弁(労働政策課長) 緊急雇用対策本部は、昨年12月の第1回会議開催以降、4回開催しており、第4回は10月21日に開催しております。

真島 昨年から13ヶ月連続で雇用情勢が悪化し続けるなかで、4回目の会議の前は2月。

2月から10月までの一番大事な時期に一度も会議を開いていないと聞きました。少し驚きです。

国の補正予算を事業化してしまったら「一件落着」で、事業によっては委託業者「丸なげ」、各部局まかせ、こんなやる気のない姿勢でいいのでしょうか。

人材不足分野に移転するといいますが、そういう分野は産業として成り立つことそのものに困難があるわけで、緊急事業をすれば自動的に継続した雇用に結びつくという簡単なものではないことはおわかりのはずです。

「緊急雇用対策本部」を所管する福祉労働部長にお聞きします。

昨年以上の雇用情勢の深刻さを前に、今後県としてどうとりくまれるつもりですか?

答弁(福祉労働部長) 雇用は、本人あるいは家族の生活を支える最も大切なよりどころです。

雇用の確保は喫緊の課題と考えています。

知事を本部長とする「緊急雇用対策本部」を設け、鋭意、就業支援、職業訓練、雇用の創出にとりくんでいるところです。

雇用情勢について、たとえば9月の有効求人倍率がはじめて0.01ポイント改善し、一部持ち直しの動きも見られますが、予断を許さない状況、まだまだ何があるかわからない状況であると受け止めています。

したがって、引き続き、「緊急雇用対策本部」を中心として、緊張感をもって雇用の確保にとりくんでまいらなければいかんというふうに考えています。

真島 雇用対策では、やはり知事のリーダーシップの発揮が決定的です。

よって、知事保留をさせていただいて、雇用対策本部長である知事の見解をお聞きしたいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

真島 以上で質問を終わります。


知事保留質疑 雇用を守る緊急対策について (質問日11月6日)

真島 おはようございます。日本共産党の真島省三です。

「雇用を守る緊急対策について」、緊急雇用対策本部長の知事におたずねします。

知事は3年前の予算特別委員会でわが党の八記県議の質問に答え、「企業に私が出かけていって、雇用の強化を訴えるのは適切じゃない」とおっしゃっていました。

しかし、昨年12月議会で私が、「県として直接地元経済界や大企業に、県民の雇用と地域経済を守る社会的責任を果たすよう強く求める」ことをもとめたとき、知事は「企業は社会的な責任があるということを十分自覚して、雇用の維持に最大の努力をすることを期待し、また求めていきたい」ときっぱりと答弁されました。

そして実際、今年1月に知事自身が先頭にたって、経済4団体や大企業106社に対し、「雇用の維持」などの要請活動を実施するとともに、「緊急相談窓口」の開設、住宅や生活資金などの生活支援、農業や福祉の分野をはじめとする再就職支援、職業能力の向上、臨時雇用や長期継続雇用などの雇用創出などの総合的な対策を実行してきました。

またここ数年、全国の都道府県に先駆けて最低賃金の引き上げの要請などを国に対しておこなってきました。

とくに私は、昨年末から年始にかけて、知事が先頭にたって実効性のあるさまざまな手立てを矢継ぎ早に打たれたこと、そのリーダーシップにたいへん敬意を表しております。

具体的な要望や提案は先日の総括質疑でやりましたので、本日は知事のリーダーシップの発揮に期待して3つほどおたずねします。

まず、昨年から13ヶ月連続で雇用情勢が悪化し続けるなかで、2月以降10月までの一番大事な時期に一度も「雇用対策本部」の会議を開かなかったのはなぜでしょうか?

また、先日、久しぶりに会議を開かれておりますが、年末にむけて昨年よりもはるかに深刻な雇用情勢のなか、県としてどのような具体策をとっていくお考えなのでしょうか?

お答えねがいます。

麻生知事答弁 雇用対策本部は、確か2月だったと思いますが、開きまして、その後開いておりませんでした。

それは2月段階で何をやるべきかずいぶん詰めまして、そして各担当部局がどの政策なり制度をどういうふうな目標のもとに運用し、活動するか明確に決めておりましたから、その目的なり分担にしたがって活動していくということでありました。

もちろん、それぞれの担当部局がどのような活動をし、どのような成果をあげているかということは本部の方で集約しているということでありました。

それから、先日、本部会議を開いたわけですけれども、それはまさに雇用情勢が悪化している状況でありまして、かつ年末を控えているというようなことでありますから、現在の情勢を分析して、どういう対策をとるべきかというようなことについて、それぞれの現状報告を担当の方からしたうえで、方向を決めていったということです。

そして、どんな内容の強化をしようとしているのかといいますと、第1点は、基金をつかいましての雇用創出です。

直接創出と間接創出があるんですが、この活動を強化していくことが第1であります。

それから第2番目は、特にわれわれの高等技術専門学校、高技専といわれていますが、あそこでの職業教育、職業能力教育の幅、これをもう少し広げていく必要があると、これを思い切って、種類として広げるということをやってまいります。

それからわれわれ福岡県の就職支援の大きな特色は、ハローワークなんかはとにかく一括してやるわけですけど、われわれは20代、30代、あるいはその後半、あるいは母子家庭、年代別、環境別に違った状況にある方々に対して、それぞれその実態にあった、専門的な就職支援をやっていますが、それをさらにやっていこうということでございます。

もちろん、農業・福祉分野での人材移転、それぞれの目標を設定してやっておりますが、現状ではまだ目標には相当達していない状況ですから、これの促進を図っていこうというような方向です。

真島 2月段階で大きな方向を定めて、そして具体化して、あとは各部で実行してきたと、状況は本部で集約しているとおっしゃいましたが、この点は先日の総括質疑のさいに、具体的に「実際は各部任せ、委託事業者任せ」で、いろんな問題が生じている、実際の実績についても各分野ごとに差が生まれつつあると指摘いたしました。

ぜひ、今後そういう点もしっかりつかんで、実効性のある手立てをしていただくように要望したいと思います。

年末を控え昨年よりもはるかに深刻なのは、史上最悪の失業率が続いて、失業給付が切れ、あるいは雇用保険に未加入なため、ホームレスになってしまう県民とその家族が続出していることです。

ところが政府がさきに策定した緊急雇用対策は、旧政権の対策の延長線上にとどまるもので、このままでは昨年末を上回るような事態、多くの県民が路頭に迷う事態になりかねません。

県として、以下の4つの対策を本腰で実行することを政府にもとめていただきたいと思っています。

第1に、現行90日間の失業給付では多くの失業者は再就職を果たせておりません。

政府が発表した「緊急雇用対策」は失業給付が切れる人の数を把握するだけにとどまっています。

雇用保険法27条にもとづく「全国延長給付」を発動し、緊急措置として給付期間を半年以上に延長することを、政府にもとめていただきたい。

第2に、国際労働機関(ILO)によると、失業給付を受け取っていない失業者が日本は77%もいますが、ドイツは6%、フランスは20%です。

「非正規切り」でホームレスにまっさかさまという「雇用保険から排除されている失業者」に対して、雇用保険の特例を設けるなどの緊急の生活支援を政府にもとめていただきたい。

第3に、政府は「1997年以降に貧困が拡大している」ことを明らかにしましたが、同じ時期の「労働法制の規制緩和」が、「使い捨て」労働を広げ、1000万人をこえるワーキングプアを生み出したことは明らかで、いまこそ雇用を守る社会的ルールを確立し、大企業に雇用の責任を果たさせることは急務です。

労働者派遣法の抜本的改正、期間社員など期限を限った雇用への法的規制を緊急の措置として行うことを、政府にもとめていただきたい。

第4に、雇用の7割以上を占める「経済の主役」、中小企業への雇用調整助成金の給付期間の延長、助成額の引き上げなど、仕事の確保を含めた総合的な緊急対策を行うことを、政府にもとめていただきたい。

知事にうかがいます。

県としては、政府に対してどのような雇用対策を要望されていますか?あるいは、今後どのような要望をされるつもりなのかお答えください。

麻生知事答弁 われわれが雇用対策について、国にもとめてきたことはたくさんあるわけですが、とくにいまのご質問との関係で申し上げますと、ひとつは雇用保険の適用、これを拡大し弾力化するということであります。これについては相当の前進をしてきております。

それから2番目には企業側がつかいます雇用調整助成金、これにつきましても拡充をもとめてきておりますが、拡充が相当程度されております。

その結果として、これが非常に広範囲につかわれている、そして雇用が維持されているという状況になっています。

このような点を中心にわれわれは今後とも実態に応じた改善をしていく必要があるというふうに思っています。

真島 いま私が政府に要望していただきたいと具体的にあげた中身は、とくに法律の改正をしなくても政府の決断でできることばかりです。

先ほど相当なこの間の拡充によって成果があがっているとおっしゃいましたけれども、今日の雇用経済情勢の悪化は、それを超える深刻さで進んでおりますので、ぜひ県下の雇用、経済状況をつかんでいただいて、政府に要望をしていただきたいと思います。

昨年、アメリカ発の経済危機が直撃するもとで、膨大な内部留保という隠し利益を溜め込んでいる自動車・電機などの輸出依存型大企業は、率先して「派遣切り」、「非正規切り」をおしすすめてきました。

いま、トヨタなど一部の大手自動車会社はエコカー減税などで増産に転じていますが、かつて使い捨てた非正規社員に「あなたの技術が必要です。とりあえず3カ月だけ」などと勧誘し、「使い捨て」を前提とした非正規の採用ばかり増やしています。

景気・雇用対策のための減税を利用して「使い捨て」雇用でひと儲けとは、安定した雇用を増やして内需拡大に貢献するという社会的責任を果たす自覚のカケラもない、ほんとうに身勝手な姿勢です。

来年3月の高校新卒者の就職内定状況は、昨年よりはるかに深刻な、過去最悪に近い状況で、本県の高校生の内定率は9月末時点で全都道府県中、下から6番目の低さです。

こんなに大企業が集積している本県で、社会人としての一歩を正社員として踏み出せない高校生が生まれていいのでしょうか。

知事は、今年1月、経済団体や大企業に対し、「雇用の維持」、「新卒者の求人確保」、「内定取り消し防止」などを要請されましたが、ぜひ年内のできるだけ早い時期に、経済団体や大企業、とくに増産に転じている大企業に対して、正社員としての採用の拡大を緊急に要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか?

麻生知事答弁 そのような要請は、今年のはじめにずっとやりました。非常に広範囲にやっております。

それはその後もずっと生きておりまして、われわれは機会あるごとに、企業が雇用をきちっと守るということは、非常に大事なことであり、社会的な責任であるから、やってもらいたいとことあるごとに強調しているという状況であります。

とくに非常に憂慮しているのは高校生でございます。

高校生が、今年の春より、ずっと悪い状況になるということでありまして、われわれは高校生を臨時に雇っていましたけれども、そのようなことも具体的に考えていかなければいかん、そういうふうに思っている状況です。

真島 最後に要望します。

県内のハローワークの正社員の有効求人倍率は0.24倍で、正社員を希望している人の5人に1人分しか正社員の求人がないのです。

日本はいつから、正社員として働くことが「贅沢」な国になったのでしょうか。

だれもが安定した仕事について、働いて家族をやしない、つつましくも生きていくことができる社会。そんなに「贅沢」な願いでしょうか。

「緊急雇用対策本部」の設置目的には、「雇用は県民が安定した生活を営む基本」であり、「県民の雇用の確保と新たな雇用の創出を図るため、全庁をあげて総合的・横断的な対策を推進するために」対策本部を設けたとあります。

この年末に「県民を路頭に迷わせない」、そういう決意で、今日の雇用危機に県庁の知恵と力を総動員して立ち向かい、実効性のある雇用対策を断行していく、国や大企業に対してもモノを言っていく、知事のリーダーシップの発揮を強く期待しまして、私の質問を終わります。


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