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トップ > 新着ニュース > 福岡空港の将来対策に関する申入れと談話

新着ニュース|日本共産党福岡県議団

福岡空港の将来対策に関する申入れ

福岡県知事 麻生渡殿

日本共産党福岡県委員会 委員長  岡野 隆
同   福岡県議会議員 真島省三
同  福岡市議団 団長 宮本秀国

2009年3月23日


福岡空港の「滑走路増設」「新空港建設」を断念し
誘導路整備などの現空港の有効活用、近隣空港との連携に全力を

麻生知事は、3月26日の県議会最終日に「福岡空港の将来対策」として、①現在一本の滑走路を二本に増設する「増設案」(総事業費2,000億円)か、②新宮・三苫沖に新空港を建設する「新設案」(総事業費9,200億円)か、どちらかの方策を選び見解を表明すると報じられています。

福岡市の吉田市長も同日に会見し、同様の見解を表明すると報じられています。

日本共産党は、「滑走路増設も新空港建設も必要ない」と一貫して主張してきました。破たんした需要予測に固執し、巨額の費用を要し、環境破壊にもつながる「滑走路増設」や「新空港建設」に突き進むことを断念し、誘導路整備などの現空港の有効活用、近隣空港との連携策に全力をあげることを強く要望し、申し入れます。以下、あらためて日本共産党の見解を表明します。


「福岡空港の将来対策」にたいする日本共産党の見解

  1. 過去8年間も利用者が減り続け、離着陸回数も減少へ
    —— 年間240万人、長崎空港年間利用者数に匹敵する旅客減に目をつぶるわけにはいかない

    福岡空港の利用者は8年間も減り続けています。ピーク時の2000年と比較すると12%、240万人もの利用者が減りました。これは長崎空港の年間利用者数(約250万人)が丸ごと減ったのとほぼ同じです。離着陸回数も08年度は、07年度対比で5%以上減る見通しです。

    その原因は、長期にわたる個人所得の減少、少子高齢化、新幹線・高速道路などの陸上交通機関に利用者が流れたことなど、複数の要因が重なった結果です。大事なことは、21世紀に入って、ひたすら福岡空港の利用者が減っている原因を真剣に分析することです。その分析抜きに、“いつかは利用者が増えるだろう”と、希望的観測で滑走路を増やしたり、新空港を建設したりするというのは、「壮大なムダづかい」以外の何ものでもありません。

    いま、深刻な世界同時不況のもとで、GDP(国内総生産)も個人消費も極端に落ち込み、航空機利用者数は激減しています。全日空の7路線など航空各社による福岡路線廃止・縮小計画も相次いで発表されています。さらに、2年後には東海道新幹線と九州新幹線の相互乗り入れが開始され、民間航空会社でつくる定期航空協会は「航空旅客はさらに減るだろう」とみています。将来にわたっても、福岡空港の利用者が回復する見通しは、“非常に厳しい”というのが、航空業界・専門家の一致した見方です。


  2. 右肩上がりの需要予測の破たん
    —— まず現空港の有効活用を実行すべき

    国・県・福岡市でつくる福岡空港調査連絡調整会議(以下、「調整会議」)が、「滑走路増設」や「新空港建設」にしがみつく唯一最大の論拠は、福岡空港の利用者が将来にわたって右肩上がりで増え続けるという、「過大な需要予測」です。

    「調整会議」がPIレポート・ステップ2で示した将来の需要予測は、3つのケースとも、右肩上がりで需要が増え続け、「福岡空港は2010年代初期には年間滑走路処理容量に余力がなくなる」というものでした。しかし、実際には過去8年間、利用者は増え続けるどころか、減り続けました。

    その後「調整会議」は、「需要予測は過大であり見直すべきだ」という意見が無視できないことをステップ3で認め、国土交通省航空分科会答申を踏まえ見直した将来発着回数は、07年実績=14万2千回(08年速報値は13万5500回に)が、2012年には15万8千回、25年後には1.35倍、4.9万回も増えるという相変わらずの過大な予測です。

    「調整会議」は、PI(パブリック・インボルブメント)で、このような「過大な需要予測」を根拠にして「滑走路増設か、新空港建設か」という二者択一を県民に迫ったのです。

    「過大な需要予測」の破たんが明らかになった以上、不毛な二者択一の押し付けは撤回し、現空港の有効活用を真剣に考えるのが、政府や行政の役割ではないでしょうか。


  3. 福岡空港と北九州空港、佐賀空港
    ——「近隣空港との連携」を実行し、県内全地域の活性化をはかるとき

    日本共産党は、「過大な需要予測」が破たんし、実際に航空機利用者が大きく減り続けているもとで、将来にわたっても、「滑走路増設」や「新空港建設」は、まったく必要ないと考えます。

    むしろ、現空港の誘導路整備など、もっと使いやすい空港に改良することで、一時的な需要増が発生した場合にも対応できると考えています。

    さらに、現在、福岡県域には、北九州空港、佐賀空港が存在します。現在、北九州空港の年間利用者は約120万人ですが、現在でも北九州・京築・筑豊地域の住民の100万人以上が福岡空港を利用しています。この利用者が北九州空港を使えるようになれば、福岡空港の負担を減らすことができます。また、北九州空港や佐賀空港をもっと有効活用すれば、北九州とその周辺、あるいは筑後地域の活性化に大きく貢献します。

    福岡空港と北九州空港、佐賀空港が共存共栄し、地域に貢献する—日本共産党は、いまこそ官民一体で知恵を出し合い、「近隣空港との連携」を本格的に実行すべきだと考えます。


◇米軍板付基地撤去へ力を合わせましょう◇

以上3つの見解とあわせて、日本共産党は、現在の福岡空港敷地内に設置されている米軍板付基地の撤去を政府と米国に要求しています。米軍基地は日本防衛とは無関係な米国の軍事戦略のための基地であり、その撤去は、世界と日本の平和に貢献します。また、「福岡空港の将来対策」を考えるとき、空港のより安全で効率的な活用のためにも基地撤去は不可欠です。

貴職が、わが党の見解を真摯に検討し、県民本位の空港政策をとられるよう、強く申し入れるものです。

以上


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福岡空港の将来対策について(談話)

根拠とした「需要予測」が破綻し、県民の合意形成がない「新空港案」、「滑走路増設案」に反対し、現空港の有効活用と近隣空港との連携を求めます

日本共産党福岡県議会議員 真島 省三

2009年3月23日


福岡空港調査連絡調整会議(以下「調整会議」)が03年から行ってきた「福岡空港の総合的な調査」が終了し、麻生知事と吉田市長は、3月26日に「最終的な対応案」について地元の意向を表明するとしています。

今回の「福岡空港の総合的な調査」は、「大規模空港の総合的調査をPI=パブリック・インボルメントを踏まえて行うという我が国で最初の試み」(1月19日、有識者委員会委員長談話)でした。しかし対応方策の検討のために「調整会議」が作成したPIレポート(ステップ1~4)が前提とした「需要予測」が破綻し、それを根拠とした「新空港案」、「滑走路増設案」への県民の合意形成は一向に進んでおりません。

日本共産党は本日、麻生渡知事に対して、党県委員会、党県議団、党福岡市議団連名で、「新空港案」、「滑走路増設案」ともに反対し、現空港の有効活用と近隣空港との連携を求める申し入れをおこないました。


  1. 「新空港」も「増設」も必要なし

    ① 過大な「需要予測」が前提に

    そもそも「調整会議」がPIレポート・ステップ1で指摘した「福岡空港の現状と課題」は、「朝・夕のピーク時」の過密対策でした。

    ところが、「調整会議」がPIレポート・ステップ2で示した将来の需要予測は、「構造改革が進展して経済成長した場合」、「構造改革が進展しなかった場合」、「1990年代の経済停滞期と同じ状況が続いた場合」の3つのケースとも、右肩上がりで需要が増え続け、「福岡空港は2010年代初期には年間滑走路処理容量に余力がなくなる」というものでした。

    その後「調整会議」は、「需要予測は過大であり見直すべきだ」という意見が無視できないことをステップ3で認め、国土交通省航空分科会答申を踏まえた見直しをしました。しかし同じ「四段階推計」という手法で、初めから経済も成長し航空需要も増えていくという要素で計算しているために、将来発着回数は、07年実績=14万2千回(08年13万5500回)が、2012年には15万8千回、25年後には1.35倍、4.9万回も増えるという相変わらずの過大な予測です


    ②「需要予測」の破綻が明らかになっても

    しかし現実は、「福岡空港の旅客数は、2000年頃をピークに横ばいとなり、近年は漸減している」(PIレポート・ステップ4)のです。08年の速報値では、乗降客数は2000年のピークから約240万人、12%ものダウンです。また、離着陸回数も前年よりも約7500回、5・3%も減り、約13万5500回でした。とても「2010年代初期には年間滑走路処理容量(14万5千回)に余力がなくなる」とは言えない状況になっています。福岡空港事務所も、「経済状況を考えると、当面は減少傾向が続くのではないか」という見方をしています。

    「調整会議」は、この間の利用者減少について、「昨今の燃料高騰に伴う運賃上昇や航空ネットワーク再編(路線の廃止や減便)」、「他の交通機関との競合」などの理由をあげています。ところが、「減少傾向は一時的」、「需要予測は中・長期的な試算」と右肩上がりの需要予測に固執しています。そして、「今年度末までに最終的な対応案を決めた上で、なるべく早い時期に、社会・経済情勢を踏まえて需要予測の見直しを行う」と開き直っています。しかし、結論を決めてから、その前提にした需要予測を見直すとは、本末転倒ではありませんか。


    ③ 中長期的にも需要の増加が見込めない

    「調整会議」は、少子高齢化が進んでも、「福岡都市圏の人口はまだ増える」、「旅行回数が多い高齢者が増える」と言いきりますが、福岡市の試算でも福岡市の人口は2025年をピークに減少に転じる見通しです。また、「構造改革」路線が年金や社会保障の制度などを壊して、旅行どころではない高齢者が増えているのが現実です。

    今後、燃料高騰と景気悪化で、一層不採算路線の廃止・減便がすすむのは確実です。さらに「調整会議」自身が、2011年春の九州新幹線全線開通の影響で、利用者が10数万人減ることを見通しています。「国際路線の利用が増える」と言いますが、週に数便の国際路線が増えても、追いつかないことは明らかです。


    ④ 「朝・夕の過密」を「容量限界」にすりかえ

    「調整会議」は、過大な需要予測をもとに「近隣空港との連携案」を排除し、「新空港案」、「滑走路増設案」の二者択一を押しつけました。「朝・夕の過密」という現実問題が、空港そのものの「容量限界」にすりかえられたのです。「ラッシュ時に電車が混むので、新しく線路を引こう」と言っているようなものです。


    ⑤ PIを進めるほど意見の相違が広がった

    地元経済界や政界でさえ、「最終的な対応策」の合意形成に至っていません。現空港周辺住民、新空港建設予定地付近の住民をはじめ、福岡市周辺の住民にもさまざまな意見が残されています。さらに、北九州市ではいまだに「連携論」が圧倒的多数です。

    そして肝心の航空事業者は、「福岡空港の利用実績の拡大は期待できない。3空港(福岡、北九州、佐賀)合わせれば発着容量には余裕がある。現有する資本財を有効活用する視点が必要だ」(定期航空協会)、「個人的な考えとしては、膨大な建設費がかかる滑走路増設も新空港も必要ないと思う。・・・航空貨物業界としては、今から何年もかかる増設や新空港より、早急な対策で今の需要に応えることが重要。利用旅客数の将来予測も不透明な部分が多く、小さな投資で大きな効果をあげるには、近隣空港との連携をもう一度、ステップ4の議題に取り上げて検討すべきと考える」(日本通運福岡航空支店国際貨物業務課長・白木原茂氏)という意見です。

    1月22日、有識者委員会が「調整会議」に対して、「もう一歩踏み込んだ、市民相互間での情報の共有や意見交換が促進されるPI手法の充実と継続的なとりくみに努めること」という今後のとりくみへの助言を出しています。今回のPIでは、需要予測や事業費・費用分担という肝心な情報まで不透明なままでした。しかも、最終段階のステップ4でも意見交換会は福岡市内1ヶ所だけでした。こうしたやり方も、県民の合意形成ができなかった原因の一つです。


    ⑥ 「新空港」も「滑走路増設」も反対です

    需要予測も破綻し、合意形成もないままに、莫大な費用を要する「新空港」や「滑走路増設」を決めることに多くの県民は納得しないでしょう。

  2. 既存ストック=現空港・近隣空港の有効活用や連携こそ、力を注ぐべき

    ① 福岡空港の現実的な課題は、「朝・夕のピーク時」の過密問題の解決です。もっとも費用がかからず現実的な方策として、まず平行誘導路の二重化など検討されている「現空港施設の有効活用策」の実行を急ぎ、さらに「近隣空港との連携」に力を尽くすべきです。


    ② 全国一の利便性が評価されている福岡空港を、全国一安全で、環境にやさしい空港となるよう、県民の英知を結集して徹底した運用の改善をはかりましょう。

    ● 今回のPIの中でも「現空港の利便性のよさ」に高い評価が与えられています。「他の空港から見てアクセスの良さ最高」「市街地から空港へのアクセスの良さは持筆すべきものであり、維持してほしい」との声は大切にすべきではないでしょうか。

    財界など新空港推進勢力は、「市街地と接した危険な空港」、「借地料84億円、環境対策費92億円、年間計176億円もかかる空港」と宣伝します。しかし、利用者が「日本一便利な空港」を維持するための費用は必要な負担ではないでしょうか。

    ● 「増設か」「新空港か」の二者択一を迫られたために、「1兆円もかかり、環境も破壊する新空港よりも増設がいい」と考えている方が多いのも事実です。しかし、「増設案」も、2000億円を超す大型開発事業で、離着陸数が現在の1.4倍になり、周辺住民の負担はさらに大きくなります。

    ● 現空港用地の中には米軍基地があります。在日米軍は、日本防衛とは無関係な「世界への殴りこみ部隊」です。郷土の平和のためにも、福岡空港をより効率的で安全に使用するためにも、米軍基地の撤去を要求します。日本でも有数のラッシュ空港に米軍が居座っていること自体、国際的にみても異常なことです。


    ③ 北九州空港の「朝・夕のピーク時」の羽田便を増やして、「北九州地域から福岡空港を利用している人たち」に北九州空港の利用を促しましょう。

    ● 北部九州、福岡県域には3つの空港(福岡空港、北九州空港、佐賀空港)があり、福岡空港以外は十分に余裕があります。「これらの空港の有効活用や連携を」を求める強い声が強いのは当然です。今でも、北九州市や筑豊・京築地域から、100万人以上の人が福岡空港を利用しています。

    ● PIレポート・ステップ1のアンケートでは、「国内線利用者が重視する項目は、「希望する直行便がある」71%、「希望する時間帯に航空便がある」65.6%、「空港まで早く到着できる」46.7%、「航空運賃が割引等で安く利用できる」46.5%です。このように、利用者は空港を選ぶさいに、アクセスや運賃よりも、「希望する路線と希望する時間の便があること」を重視しているのです。

    ● 北九州空港は、朝6時45分以降8時15分まで羽田便がなく、「朝のピーク時」7時台~9時台の羽田便は、8時15分、8時25分、9時55分の3便だけです。航空会社も開港当初から、「朝・夕のピーク時」に便数を増やしたいという意向をもっていましたが、羽田空港の枠がいっぱいでかないませんでした。2年後には、羽田空港の拡張工事が終わり、枠が増えます。北九州空港の「朝・夕のピーク時」の羽田便を増やすことを最優先で後押しすべきです。

    ● これは、「福岡空港の羽田便を削って、北九州空港に移せ」というのではありません。北九州空港の「朝・夕のピーク時」の羽田便を増やすことは、利用者も航空会社も望んでいることです。そうすれば、北九州地域から「朝・夕のピーク時」に福岡空港を利用していた人たちが自然と北九州空港を利用するようになります。その結果として、福岡空港の航空会社が需要に応じた過密時間帯の便数調整を行うのです。


    国、県、市は、福岡都市圏を「アジアのゲートウエイ」、「交際交流拠点都市」にするのだと、「新空港」と「滑走路増設」という大型開発の二者択一を煽っています。しかし、「大きく立派な玄関を入ったら、家の中は経済苦にあえぐ人がたくさんいた」という県政でいいのでしょうか。

    いま「100年に1度」という経済情勢の悪化が、県民を襲っています。限られた財政で、最優先で県民の命と暮らしを守ることが求められています。国も、県も、市も、不要不急の大型開発事業に莫大な税金をつぎ込む余裕はないはずです。

    日本共産党県議団は、「新空港」や「滑走路増設」に反対するとともに、「現空港施設の有効活用策や近隣空港との連携」の推進を強く求めます。

以上


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