2月定例県議会の閉会あたって
日本共産党福岡県議会議員団 真島省三
2009年3月26日
平成21年度当初予算案を審議する2月定例議会は、2月24日に開会し、31日間の会期で、3月26日に閉会しました。
一、福岡県議会二月臨時議会について
2月定例議会に先立ち、2月9日に福岡県議会2月臨時会(第9回)が招集されました。
臨時議会に提案された議案は、平成20年度福岡県一般会計補正予算案他条例議案四件で、景気悪化に伴う国の第二次補正予算が成立したことを踏まえて、本県に於ける雇用創出と、地域経済の活性化のため提案されたものです。
補正予算は一般会計で389億8千万円余で、これによって一般会計の総額は1兆5千754億2千万円余となります。
また、条例議案4件は、いずれも補正予算に関連する基金条例の制定に関するもので、我党含めて全会一致で可決されました。
二、二月定例県議会について
審議された議案は、予算関係議案20件、条例議案24件、その他11件の合計55件です。今回提案された平成21年度の当初予算は、一般会計で1兆5千892億円余、特別会計で4千54億円余となっており、最終日の本会議で賛成多数(反対は我党のみ)で可決されました。
新年度予算の特徴は、地域経済活性化対策として、対前年度比で3.5%増の予算規模となっていますが、不況による県税収入の急激な悪化で、基金からの取り崩しと県債の発行で補った結果、県債残高は2兆7千500億円になり、県民一人当たりの借金は55万円となっています。この結果、2007年に策定した新財政構造改革プランの達成は困難になったと、財政当局自身が認めています。
予算内容は従来どおり、県民のくらしや福祉、教育には冷たく、ダムや新幹線など国主導の大型公共事業には、従来どおりの手厚い措置がなされています。
我党は、予算関係議案については、平成21年度一般会計予算の他、河川開発事業特別会計(ダム開発事業)、県営埠頭施設整備事業(新松山工業用地造成事業)、工業用地造成事業(企業局による前原市の工業用地造成事業)計4件に反対、残り16件に賛成しました。条例議案採決については、「各種手数料条例」の値上げ分など11件に反対し、24件に賛成しました。その他、人事議案が最終日の26日追加提案され、副知事の人事案件には反対、監査委員と収用委員会委員の人事案件には賛成しました。
また、今議会には追加議案として、平成20年度補正予算関係議案14件、条例議案3件、経費負担に関する議案11件が提案されました。補正予算は国の第二次補正予算関連経費に関するものや、国庫支出金等の決定に伴う追加経費など、増額補正するものと経費の削減などによる減額補正を行っているものとがあり、補正予算総額は一般会計で119億7千万円余、特別会計で33億7千万円余の減額となっています。その結果、平成20年度予算の総額は一般会計で1兆5千634億5千400万円余、特別会計で6千300億1千900万円余となっています。
追加議案は、3月12日の本会議で、賛成多数で採択されました。我党は前原市の工業用地造成事業に係わる特別会計予算と、前原市の県道中央ルートが含まれる街路関係事業の経費負担議案に反対、残り26件の議案には賛成しました。
三、一般質問について 3月5日
第1に、国民健康保険制度の運用について質問。本県の短期保険証と資格証明書の交付は全国一と指摘、保険者である市町村が病気や失業、倒産などで「払えない」人からも保険証を取りあげていないか調査し、「機械的、一律な運用」で医療を受ける権利を奪わないよう指導すべきだと、知事の見解をただしました。併せて国民健康保険法77条や同44条には、「特別の事情」にある被保険者にたいし、減免や医療費の免除・軽減措置があるが、今日の経済情勢に鑑み、実効性のある減免基準の策定と運用をおこなうよう県として指導すべきだ、とただしました。
第2に、「後期高齢者医療制度」の運用、及び健康診査への県の財政支援について質問。昨年末時点で1万人を超す人々が保険料を滞納しているが、県として高齢者への資格証明書を交付しないよう「広域連合」と市町村に求めるべきだと迫り、健康診査ぐらい無料で受けられるよう、県としての財政支援を求めました。
第3に、特別養護老人ホームの整備促進について質問。本県での特養入所待機者が約1万5千500人、内自宅待機者が4千200人にのぼると指摘、県の高齢者保健福祉計画で各待機者に応じた抜本的な整備計画の策定を求め、とりわけ要介護4、5の重度の自宅待機者1,000人分の整備は2年程度で一気に行うべきと、知事の見解をただしました。
第4に、私立高校の生徒への授業料助成制度の拡充、及び緊急の学費支援について質問。生活困窮世帯への県の授業料助成制度は県立は「全額減免」なのに、私立は県立高校並の「軽減」で、私立高校では平均で年16万円、初年度納付金で45万円が必要と指摘、県の授業料助成制度の抜本的な拡充を求めました。
また、経済悪化のもとで、政府が補正予算で「地域活性化・生活対策臨時交付金」を私立高校の学費支援に活用するようすすめていることを紹介。私立高校の生徒への緊急の学費支援を知事に求めました。
知事答弁
①国民健康保険制度の運用について
県では市町村に対し、事業の休廃止や病気などの「特別な事情」の把握を徹底するよう指導しており、急激な雇用情勢の悪化などを踏まえ、減免や徴収猶予など、実情に配慮したきめ細やかな対応がなされるよう市町村を指導していると答えました。
②後期高齢者医療制度の運用及び県の支援について
県として保険料が納付できない特別な事情の把握に努め、きめ細やかな対応をするよう「広域連合」市町村を指導していると回答。健康診査については国と市町村が費用の三分の一ずつを負担することになっており、県としての財政支援は拒否しました。
③特別養護老人ホームの整備促進について
市町村から提出されたサービス必要量の見込を基に、広域的な調査を行っており、新たな整備計画(今後三年内)を策定していると答えました。
④私立高校生への県の授業料軽減制度の拡充について
現行の授業料軽減措置や県の奨学金制度の周知を図るとともに、対象者の増加にも適切に対応すると答え、制度の拡充や私学生徒に対する緊急支援対策には応えませんでした。
※これを受けて、真島県議が再質問に立ち、急激な雇用情勢の悪化のもと、資格証交付で県民の命を奪うことのないよう、「特別な事情」の把握に努め、保険料や医療費の一部負担金の支払いが困難な方々への減免や徴収猶予などの対応がなされるよう、市町村への指導を重ねて要請しました。
四、総務企画地域振興常任委員会について 3月23日
◎「福岡県国土利用計画」について質問。県政運営の基本指針として、知事は「人手不足が続く農業や福祉・介護分野などへの人材移転を重点的に進める」としながら、国土利用計画では八年後の農地が2004年と比べ、約1割も減る目標になっている点を取りあげ、再検討を求めました。
◎次に、「県税条例の一部を改正する条例の制定について」質問。最悪の不況に突入し、中小零細業者が滞納に至る深刻な実態を紹介、県下で国税庁が出した「納税の猶予等の取り扱い要領」も無視した、機械的な徴税行政が行われていると指摘、納税者個々の実態に配慮した適切な処理が行われるよう努めるとともに、市町村にも徹底することを強く要望しました。
五、第六号議案「平成21年度福岡県一般会計予算案」に対する反対討論 3月26日
本会議最終日、真島県議は反対討論に立ち、県単独事業である福祉三医療の所得要件、一部自己負担等の抑制路線はそのまま継続、農林水産予算や制度融資を除く商工予算などは、連続削減する一方で、景気悪化による税収の大幅減の中でも、ダム開発などの不要不急の大型開発や、大企業への補助金バラマキは“聖域”にしていると指摘、社会保障や教育の拡充、農業や中小企業の振興を最優先にした財政運営への転換こそ内需主導の経済回復への道だと述べました。
六、請願と意見書について
今議会に提案された請願
①国民生活の「安心・安全」の確立を求め、地方の切り捨てに繋がる安易な地方分権・道州制に反対する請願(真島県議紹介議員)
②「食の安心・安全条例」制定を求める請願・・・・いずれも継続審査
今議会で採択された意見書
①公務員獣医師の確保に関する意見書
②緊急雇用対策の充実を求める意見書
③「緑の社会」への構造改革を求める意見書
④訪問看護事業の拡充を求める意見書
☆我党が提案した意見書案は次の五件でしたが、いずれも否決(共産党を除く全ての会派が反対)
①派遣労働者の正規化を促進するための国の対策の強化を求める意見書案
②内需主導経済への抜本的な体質改善を求める意見書案
③介護保険制度の抜本的見直しを求める意見書案
④現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書案
⑤「世界一高い学費」を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすことを求める意見書案
七、知事への申し入れについて
今本会議中に申し入れた事項は次のとおりです。
(一)福岡空港の「滑走路増設」「新空港建設」を断念し、誘導路整備などの現空港の有効活用、近隣空港との連携に全力を、という福岡空港の将来対策に関する申し入れ
日本共産党県議団は、今後とも県民要求実現のため全力を尽して頑張ります。変らぬご支援とご協力をお願いいたします。
※一般質問や知事・議長への申し入れ文書は、下記に掲載しています。ぜひご覧下さい。
関連記事「2009年2月議会 一般質問」
関連記事「福岡空港の将来対策に関する申入れと談話」
以上
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